チーフスがQBカーソン・ウェンツと1年契約へ

ロサンゼルス・ラムズのカーソン・ウェンツ【AP Photo/Jed Jacobsohn】

クオーターバック(QB)パトリック・マホームズとスーパーボウル王者のカンザスシティ・チーフスがベテランのバックアップを手に入れる。その選手は、かつてドラフト全体2位指名を受けた人物だ。

現地1日(月)夜、QBカーソン・ウェンツがチーフスと1年契約を結ぶと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが報じた。

2016年NFLドラフトの全体2位でフィラデルフィア・イーグルスから指名を受けたウェンツは、この5年で5つ目のチームに加入しようとしている。

フィリーでの5年間で1度だけプロボウルに選出されたウェンツのイーグルス時代は、波乱に満ちた2020年シーズンを経て終わりを迎えた。ウェンツは2021年にインディアナポリス・コルツで、2022年にワシントン・コマンダースで引き続きQB1の座に就くチャンスを得たものの、どちらも失敗に終わっている。昨年はシーズン後半に、ベテランのバックアップを探していたロサンゼルス・ラムズに加入。ウェンツは両チームの先発組が出場を見送ったシーズン第18週のサンフランシスコ・49ers戦にのみ出場し、トータルで3回のタッチダウンを決めてチームに勝利をもたらした。

今回のウェンツには、仕事を見つけるまでにオフシーズンとレギュラーシーズンの大半で待機する必要はない。

ウェンツはNFL界の支配者として君臨しているチーフスに入団し、マホームズを筆頭に、クリス・オラドクンやイアン・ブックを擁するQBルームに加わる。

先発選手になることはもうないかもしれないが、31歳のウェンツには必要に応じてチーフスに提供できる豊富な経験がある。また、アンディ・リードHC(ヘッドコーチ)の指導のもとでさらにキャリアを積むのは確実に損にならないはずだ。昨季はブレイン・ギャバートが、それ以前はチャド・ヘニーやマット・ムーアが担っていた役割を、ウェンツは担うことになる。

NFLでの8シーズンを通して、ウェンツは95試合に出場して2万2,292ヤード、タッチダウン153回、インターセプト67回をマーク。先発としては47勝45敗1分という成績を残してきた。身長約196cm、体重約107kgのウェンツが過小評価されているランナーであることは注目に値するだろう。チーフスが長い間、過去のケガを理由にマホームズをQBスニークで起用することに消極的になっている中で、堅実にランでショートヤードを稼げるウェンツは、必要な場合に起用されるかもしれない。

チーフスは新たなベテランバックアップを獲得し、ウェンツはカンザスシティに新天地を見出した。

【RA】

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