農水ボランティア始動 能登町で県内外の19人

水路にたまった土砂を上げる参加者=2日午前11時15分、能登町九里川尻

  ●田植えへ津波の泥上げ

 能登半島地震で被害を受けた1次産業の復旧を後押しするため、石川県が募集した「能登農林水産業ボランティア」が2日、能登町九里川尻の水田で活動をスタートした。初回は県内外の19人が、津波で用水路にたまった泥やごみをかき出す作業に汗を流し、田植えの準備が進んでいない地元の農家を喜ばせた。

 能登地域の基幹産業の再開に向け、農地の復旧や農作業を手伝ってもらいたいと、県が災害ボランティア登録者を対象に募集。能登町九里川尻の住民から農作業を受託している内浦アグリサービス(同町)が県に派遣を要請した。

 2日、金沢市からバスで到着した参加者は、説明を受けた後、用水路にたまった土砂やごみをスコップですくい上げる作業に追われた。

 三重県いなべ市から参加した会社員早川郁穂さん(25)は「見ているだけでは駄目だと思って参加した。空手で鍛えた体力を生かして役に立ちたい」と話した。長野県中野市の清宮由久さん(50)は「作業は体力勝負でつらいが、農家の力になりたかった。他のボランティアが奮闘する様子にも励まされる」と語った。

 内浦アグリサービスの東陽介代表(37)は「住民は高齢者が多い上、社員だけでは人手が足りずに困っていた。大変助かる」と感謝した。

 農林水産業ボランティア活動は6日まで輪島市や七尾市、志賀町でも行われる。日帰りで取り組み、現地では4~5時間活動する。

 3日から第2陣の募集を始める予定で、県里山振興室の担当者は「被災者の希望を聞き、数多くの事例をマッチングさせていきたい」と話した。

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