大谷翔平 “一平教科書”差し替え問題 翔平を採用した各社の対応は?

21年11月、全身真っ黒な姿でジムを訪れた大谷と水原氏

大谷翔平選手(29)の元通訳・水原一平氏(39)の違法賭博疑惑報道から約2週間、その余波が各所に広がっている。

3月22日には、文科省の検定に合格した中学の教科書に水原氏の掲載があると「朝日新聞デジタル」で報じられた。教育出版の中学3年生の「英語」の教科書だ。教育出版は「報道されていることが事実だとすれば、内容の差し替えも含め検討せざるを得ないと考えている」とコメントしていた。

一方で、中学教科書の5教科13点に掲載される予定の大谷。25日に会見を開き、関与を全面的に否定したものの、いまだ謎に包まれている部分も多い。こちらの差し替えは検討されていないのか、反響を各出版社に問い合わせた。

■教育出版の担当者(中学1年生の英語に大谷、中学3年生の英語に水原氏を掲載)

まずは水原氏の掲載について、差し替えは決定しているのだろうか。

「社内ではまだ方向性が見えていない段階ですね。実は、文科省の訂正申請というものが必要で、それが行えるのは6月1日からなんです。それまでは社内で検討して、案は作りますが、結果が出るのはさらに先になると思います。

私自身も驚きましたが、英語の編集局が大変な騒ぎになっておりました。疑惑の段階ではありましたが、どうしようかと話し合っていましたね」

中学1年生の英語の教科書における、大谷選手の掲載は――。

「確認はしておりませんが、今、社内で検討しているのはやはり水原さんと関係する3年生の教科書のことだけです。ただ、もし大谷選手にまで影響が及ぶようであれば、また業界をあげての騒ぎになるかと思いますけれども」

■日本文教出版の担当者(中学1、2年生の地理に大谷を掲載)

「特に差し替えはまだ検討しておらず、今のところは影響はないですね。ただ今後、推移を見守りたいというところでございます」

多国籍の選手からなるプロスポーツチームの紹介の一環として、大リーグのベンチの集合写真を掲載。そのなかに大谷が写っているそうだ。

「大谷選手に注目するというよりは、そのベンチの中で多様な選手がいるっていうことが趣旨の写真で、大谷選手の説明や名前の掲載はしてないですね。日本人もいると、より関心を持って中学生にも見ていただけるのかなと思い、入れています。今大変な活躍をされているから、という意識もあるかと思います」

教科書は‘25年度から、基本的に4年間使われるという。

「ただ、ウクライナの戦争のようなことが起こりますと、やっぱり状況が変わってきますので。4年間の途中でも文部科学省に申請して訂正することは可能です」

■開隆堂の担当者(中学生の技術・家庭に大谷を掲載)

「ちょうど家庭分野の“自分で課題を設定して、それをどう実践していくか”という学習内容とマンダラチャートが一致したので、取り上げさせていただきました。大谷選手個人のことで、しかも高校時代の話ですので、変更する予定はございません」

大谷の有名な目標達成シート自体の写真は掲載していない。

「中学生に合うようにということで、大谷選手は紹介だけしていて、実際のシートの例は中学生の例にしております。ただ、投打の写真は許可をいただいて掲載しております」

取材をした3社とも、大谷の掲載について現時点で変更予定はないようだ。

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