菌培養で原料、紅こうじのみ 小林製薬のサプリ製造

小林製薬の大阪工場=3月、大阪市

 小林製薬(大阪市)が製造した「紅こうじ」サプリメントと腎疾患との関連が疑われる問題で、同社が菌類を培養してサプリ原料を製造していたのは紅こうじだけだったことが2日、分かった。乳酸菌やビフィズス菌、納豆菌由来のサプリも販売するが、原料は全て外部から調達していた。高温多湿な環境下で培養する菌類は、厳しい衛生管理が必要とされる。厚生労働省と大阪市は紅こうじの製造工程に問題がなかったか調べる。

 業界内では、細心の注意が不可欠な培養工程で意図しない成分が混入し、健康被害につながった可能性を指摘する声がある。

 小林製薬は、2016年に下着大手のグンゼから紅こうじ関連の事業を譲り受けた。小林製薬がこうじ菌を扱うのは初めてで、製造設備は大阪工場(大阪市、昨年12月閉鎖)に移した。

 紅こうじ摂取でコレステロール値を下げる効果が期待されることは当時から知られ、多様な製品開発による販売拡大を見込んだ。その後もサプリ用に菌培養から手がけていたのは紅こうじに限られ、異例の対応だったとみられる。

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