大阪市で生成AIがスタート「業務効率化に向け活用したい」

大阪市の定例会見が4月1日に実施され、生成AIを市役所全庁で業務活用(行政サービスでは利用せず)し始めたことを発表。実際に生成AIを使って業務をおこなったという横山英幸市長は、「ちょっと使ったがめちゃくちゃ便利。職員の業務効率化で市民サービスの向上につなげたい」と意気込んだ。

定例会見のフリップより「市役所全庁における生成AIの業務利用について」(4月1日・大阪市中央区)

市では2023年4月、デジタル統括室内に調査・利用検討チームを設置して生成AIの具体的な活用方法やさまざまなリスクに対する対策を検討。今年1月から2月まで700人を対象に本格利用を目指した試行利用と検証が実施されてきた。

そして今回、「大阪市生成AI利用ガイドライン」が作成され、全職員を対象にした生成AIの業務活用が開始。一般的な文章作成や議事録などの要約、企画案のたたき台作成、広報記事などが対象業務となる。

利用するのは、マイクロソフトの「アジュールオープンAIサービス」。市独自の環境で庁内PCからアクセスし、職員が質問や指示を入力してAIに送信すると回答が表示。深堀した回答の精査向上も期待できるという(同環境では入力データは保存されず、生成AIの学習データとしても再利用されない)。

今後、効果的な活用を勧める横山市長は、「業務が効率化されることで、職員の空いた時間で市民とつながりを持ったり、イベントをしたり、解決する時間を割いたり・・・。空いた時間が、別の前向きな仕事になる。どんどん活用していきたい」と意欲を見せた。

取材・文・写真/岡田由佳子

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