目分量でフードをあげてない? 犬の肥満リスクを上げる3つのNG習慣

愛犬が太ってしまう理由は病気や体質などさまざまですが、いちばん多いのは、飼い主さんによる犬の肥満リスクを上げる習慣の積み重ねによるもの。そのため、飼い主さんの習慣を見直せば、犬の肥満は防ぐことができるのです。

そこで今回は、犬の肥満リスクを上げる飼い主さんのNG習慣を3つピックアップし、獣医師の牛草貴博先生に解説していただきました。

NG習慣(1)フードの量を目分量で判断している

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毎日のフードを目分量で与えていると、少し多いだけでも積み重なって与えすぎになり、気づいたら肥満になっていることも。特に小型犬は少量でも肥満につながりやすいので注意が必要です。

面倒と思わず、毎回軽量して与えすぎないようにしましょう。1回に与える量をあらかじめ量っておいて、小分けにしておく方法もおすすめです。

NG習慣(2)愛犬への罪悪感からおやつを与えてしまう

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「毎日留守番をさせてかわいそうなことをした」「家事で忙しくかまえなかったから、せめておやつで喜ばせたい」など、飼い主さんの罪滅ぼしのような気持ちからおやるを与える習慣はNG。申し訳ない気持ちから、いつもよりたくさんおやつを与えてしまいます。

愛犬に対して申し訳ないと思ったときは、スキンシップをしたり、散歩の時間を長くとったりと、おやつ以外のことで楽しませてあげましょう。

NG習慣(3)排泄目的だけで散歩をしている

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近所を一周するだけなど、排泄のための短い散歩では運動不足になり、腸内細菌のバランスが崩れる一因に。腸内に脂肪をためこむ通称”デブ菌”が増えて、太りやすい体質になります。

散歩は毎日が基本。最低でも30分以上は歩かせましょう。小型犬で散歩させていない、抱っこで散歩させていないなどはNGなので、しっかりと歩かせましょう。

犬の肥満にはどんなリスクがあるの

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では、犬が肥満になると、どのような弊害が出てくるのでしょうか。

呼吸器疾患や熱中症になりやすくなる

肥満になると気道が狭くなり、正常な呼吸ができなくなることがあります。特に生まれつき気道が狭い短頭種は、こういった問題が起こりやすいでしょう。
また、犬は呼気から熱を発散させて体温を下げるため、呼吸に問題が起こると熱中症にもなりやすくなります。熱中症は短時間で死に至ることも珍しくない病気ですので、十分な注意が必要です。

糖尿病やがんのリスクを上げる

肥満が長期間続くと、体の中でさまざまな場所で絶えず炎症が起こっている状態に。それが影響して、糖尿病やがんなど命に関わる病気のきっかけになることが指摘されています。さらに、長期的な肥満は内臓や骨格にも負担がかかり続けるため、問題が生じやすくなるでしょう。

犬の肥満は命を脅かす危険もあることがわかりました。今回ご紹介したNG習慣に、ひとつでも思い当たる節があれば要注意。すぐに改善して肥満を防ぎましょう。

お話を伺った先生/牛草貴博先生(VCAJ横浜どうぶつ医療センター、関内どうぶつクリニック代表 獣医師 博士(獣医学) 株式会社12薬局取締役 酪農学園大学特任教授)
参考/「いぬのきもち」2024年2月号『飼い主さんの「無意識」こそ太る原因!!愛犬を肥満にするアブナイ習慣』
文/柏田ゆき
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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