ソニーグループ入社式で緑黄色社会がライブ コロナ禍入社含めた約4,100名にエール

新年度が始まった4月1日、5年ぶりとなるソニーグループ入社式が、神奈川・Kアリーナ横浜で開催された。今年度の新入社員約1,200名に加え、入社式が行われなかったコロナ禍(2020年度から2023年度)に入社した社員も含む約4,100名が参加。「Enjoy Your Journey」を合い言葉に、ソニー社員として世界を感動で満たす活動をしてほしいとの会社からのメッセージが送られた。

ソニーグループ株式会社の役員からの歓迎メッセージで入社式が始まった。同社代表執行役会長CEOの吉田憲一郎は、「会社のPurpose(存在意義)に共感できてこそ、情熱をもって仕事に取り組める」とし、「ソニーは皆さんに幅広い選択の機会を提供できる会社。“世界を感動で満たす”旅路において、皆さん一人ひとりが、それぞれの選択を通じて未来を切り拓いていくことを期待しています」とコメント。

同社取締役代表執行役社長COO兼CFOの十時裕樹は、“Boundary Spanner”(境界を越えて組織や個人をつなぎ、知識や活動を共有して組織行動に影響を及ぼす人)という言葉をキーワードに挙げ、「皆さんの中から、多くの優れたBoundary Spannerが登場し、大活躍されることを楽しみにしています」と期待を寄せた。

そして執行役員人事総務担当の井藤安博は、2人の創業メンバーが残した「自由闊達がソニーの得意技」「“異見”はクリエイティブの源泉」といった金言を紹介した。

経営チームと新入社員によるインタラクティブセッションでは、新入社員から各社のトップに直接質問ができるというまたとないチャンスに、緊張しながら質問を繰り出した新入社員たち。各社トップはそれぞれの実体験を交えながら、成功の秘訣として「チャレンジすること」「やり続けること」「変化に敏感であること」を挙げ、「大きな夢をソニーで一緒に叶えましょう」と呼びかけた。

入社式の最後には、司会者の「世界に感動を届けている緑黄色社会のライブを共有して感動を体感しましょう」との呼びかけで、大歓声に迎えられて緑黄色社会のメンバーが登場。まずはアニメ『薬屋のひとりごと』(日本テレビ系)オープニングテーマとしてヒット中の「花になって」を繰り出すと、厳かな式典からムードは一変、全員スタンディングで手拍子をしたり歌ったりするなどアツいライブ会場に変身した。「まずは皆さん、入社おめでとうございます」と新入社員たちを歓迎した長屋晴子(Vo/Gt)。「自分が携わった企画や商品が誰かのためになった時、きっと生きがいややりがいを感じると思う。そんなワクワクをこれから探し続けてほしい」とエールを送り、「偉い人の目とか気にせず、私のせいにしてくれていいから、好きに音楽を感じていい時間にしてほしい。あなたたちの力で輝かしい未来を作っていってください」とコメントして、エモーショナルなメロディが印象的な「キャラクター」やドラマ『真夏のシンデレラ』(フジテレビ)主題歌「サマータイムシンデレラ」など披露。

ラストには「Mela!」を披露。冒頭を〈こんな僕も“晴れてソニーグループの一員となった皆さん”のヒーローになりたいのさ〉と歌詞を替えて歌うと、大歓声に沸いた会場。そこに金テープが舞い、ビジョンには一緒に歌いながら手や体を揺らす、新入社員たちの笑顔が映し出される。ワンマンライブさながらの演出に、「これから一緒にいいものを作っていきましょうね!」と、長屋から温かいメッセージが送られた。実にソニーらしい、多様性にあふれた華やかな入社式。新たなヒットを生む自由な発想が、この日からすでに育まれはじめていた。

(文=榑林 史章)

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