静岡・川勝知事の不適切発言で「士農工商」がトレンドに 新入職員に「野菜売るのと違って知性が高い」

静岡県の川勝平太知事が1日の新入職員への訓示の場で語った言葉が、2日、話題となった。川勝知事は同県の新入職員へ向けて「県庁というのは、別の言葉で言うとシンクタンクです。毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいは物を作ったりとかということと違ってですね、基本的に皆様方は頭脳、知性の高い方々です」と発言していた。

県庁職員は農業、畜産業、製造業に従事する人々より「知性の高い」人という意味にも取れる発言。これを受けてネット上では「士農工商」がトレンドワードとなった。

「士農工商」は江戸時代の身分について表現した言葉で、「士」=武士=役人が一番身分が高く、「農」=農民、「工」=職人=製造業者、「商」=商人の順に位置づけられるというものだった。ネットでは「ちゃんと『士農工商』を踏まえた差別的職業観を披露する駿府の殿様」「知性ある川勝平太知事へ 静岡県には『士農工商』が残ってるのですか?」「さすが徳川御領地」「農家や畜産に従事している人達は県庁に怒鳴り込んでいいレベルの発言では?」とツッコミがあふれた。

川勝知事は3月13日、磐田市をホームとするサッカー女子なでしこリーグ1部・静岡SSUボニータの表敬訪問を受けた際に「男の子はお母さんに育てられる」という趣旨の発言をしており、「父子家庭の軽視ととられる」と批判され、同26日に誤解を招く発言だったとして「反省」を示したばかりだった。2021年10月の参院静岡補欠選挙の応援演説では「御殿場にはコシヒカリしかない」などと発言。御殿場市を揶揄(やゆ)するような発言として、県議会から辞職勧告決議を受けたこともあった。

(よろず~ニュース編集部)

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