野党「処分の線引き曖昧」 首相、二階氏対象外に批判

 野党は2日、自民党が派閥の政治資金パーティー裏金事件で政治資金収支報告書に計500万円以上の不記載があった国会議員ら計39人を処分対象とすることについて「線引きが曖昧だ」(立憲民主党の安住淳国対委員長)と一斉に反発した。岸田文雄首相と二階俊博元幹事長が処分の対象外になっていることも批判した。

 安住氏は国会内で記者団に「500万円に満たない人は処分しないのはふに落ちない」と強調。安倍派幹部について長期間にわたり違法性を認識しながら裏金づくりをしていたと指摘し「重い処分を科すべきだ」と述べた。

 日本維新の会の音喜多駿政調会長は記者団に「トップが責任を取るのは民間組織なら当たり前だ」と批判。次期衆院選への不出馬を表明し処分見送りとなった二階氏についても「無罪放免はおかしい」と訴えた。

 共産党の穀田恵二国対委員長は会見で「真相解明の幕引きにしてはいけない」と力説。不記載があった全議員の政治倫理審査会への出席を求めた。国民民主党の玉木雄一郎代表は会見で「多くの国民は疑問に思うのではないか」と指摘した。

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