30周年『FF6』の日陰キャラ…でも「熟練者が使うと実は最強」なガウの底知れなさ

スーパーファミコン用ソフト『ファイナルファンタジーVI』 (編集部撮影)

1994年4月2日にスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売されたスーパーファミコン用RPG『ファイナルファンタジーVI』が本日で30周年を迎えた。

同作はシリーズ初となる複数主人公によるドラマを描いたもので、トランスで魔法が強化できるティナや、機械が強いエドガー、コマンド入力により必殺技を放つことができるマッシュなど、それぞれに物語があり、それぞれ人気があった。後半では主人公たちが一堂に会し、最大4名のパーティを組んで攻略するが、中には通常プレイではなかなかメインで使わなかったキャラがいたという人も多いと思う。

今回は同作30周年を機に、人気キャラの陰に隠れている存在で、2周目であってもなかなか使わないであろう「ガウ」について、その“最強ぶり”を振り返っていきたい。

■さまざまな遊び方ができるガウの「あばれる」

同作の主人公たちはそれぞれが固有のオリジナルコマンドを持っている。前述のマッシュの「ひっさつわざ」であったり、セッツァーの「スロット」であったり、ロックによる「ぬすむ」だったりと、その効果はさまざま。

獣ヶ原で仲間となるガウは、身寄りがなく魔物とともに育ってきた少年だ。獣ヶ原でのバトル中にモンスターの中に「とびこむ」ことで敵の特徴を習得し、「あばれる」ことでモンスターになりきって戦うことができる。「あばれる」の最中は制御不能になる「バーサク」の状態となるが、どのモンスターを相手に「とびこむ」かによって、ガウの能力が大きく変わる。

実は、敵次第でこの技は非常に強力なものとなるのだ。強力すぎる「あばれる」コマンドのモンスターといえば、まず敵・味方すべてに超強大なダメージを与える魔法・メルトンを使う「ムーバ」がいる。

メルトンは、ティナがレベル86と、かなりの高レベルで覚える魔法だ。他には魔石ジハードによる習得となるが、この魔石は伝説の八竜を全て倒すことで手に入るというもの。そして、メルトンの習得倍率は1倍と最低であり、そこからも覚えるのは至難の業だ。

ラストダンジョンである瓦礫の塔も含め、全ての八竜を倒して、その上で習得倍率1倍で覚えないといけないということは、メルトンを習得する頃には、ほぼすべてのやり込み要素をクリアしているはず。メルトンを通常プレイで使ったというプレイヤーも、ガウの「あばれる」を使ったプレイヤーと同じくらい、少ないのではないだろうか。

この魔法の威力の数値は138。だが、これは全体化した数値なので、アルテマの全体化である75を優に超すという、化け物じみた威力である。ただし消費MPも85とすこぶる高い。普通に使うと、最大レベルでも連発はきついだろう。

ガウは、瓦礫の塔に出現するムーバを倒し、その後に獣ヶ原でムーバに「とびこむ」ことで、「あばれる」のムーバを習得できる。

やや手間がかかるものの、「あばれる」によるMP消費はゼロなので、八竜を倒すことと、MP消費のデメリットを踏み倒してメルトンを連発することができるのである。

メルトンは、普通に使うと味方全体にも強制的にダメージが発生するので、自滅魔法になってしまうが、全員にフレイムシールドなど炎属性を吸収できる装備をさせることにより、回復することができる。これにより、敵にはアルテマを超えるダメージを、味方には同じくらいの回復を連発できるという、驚異の性能となる。

パーティ全体の装備が縛られるという欠点もあるものの、最強であることは間違いない。一度試してみたくなるガウの使い方だ。

■序盤から使えて終盤も超強力「ストレイキャット」のネコキック

続いては、使用難易度がだいぶ低いものの非常に使いやすく強力な、「ストレイキャット」のあばれるスキル「ネコキック」だ。

効果は単純明快。通常攻撃である「たたかう」を4倍にしたダメージを放つスキルである。単純にダメージ4倍物理攻撃スキルは、ゲーム全体のスキルの中でも高威力。実は序盤から破格の性能である。

崩壊後には、ガウが唯一装備できる「さごじょうのやり」が手に入る。そして「げんじのこて」「かいでんのあかし」を装備することで「二刀流」による「みだれうち」までが可能となり、このスキルはまさに最強となる。さらに、この「あばれる」の真価は、ものまねしゴゴに使わせると、さらに発揮される。ゴゴは短剣や杖が装備可能なので、強力な武器によるダメージ分が上乗せされるのだ。

このストレイキャットの強力さに序盤から気付くことで、ガウ使用のハードルが大幅に下がるであろう。

■全ての敵を味方にする「ロフレシュメドウ」のゆうわく

「ロフレシュメドウ」のあばれるスキルは「ゆうわく」だ。これは一言で表すと、殴っても解除されない混乱である。そして、この誘惑に対しての耐性を持つモンスターはおらず、つまりボスを含めたほぼ全てのモンスターに効いてしまうのだ。

「ゆうわく」自体は必中の技ではないものの、本作での有名な裏技である「バニシュデス」(バニシュで透明化させた敵にデスを使って即死させる)のように、相手が透明化状態だと必中となる。つまり、「バニシュゆうわく」を1撃でも決めてしまえば、勝ちとなるのである。

そして、この「バニシュゆうわく」は、リメイク版でも有効であり、「バニシュデス」のように効かなくなっていることはない。

他にもケアルガが使える「マジックポット」のスキルも便利だし、「レオ将軍」のスキルでおなじみの「ショック」も「ようじんぼう」にとびこむことで使えたりするのも面白い。強力さもやり込み的な面白さも、かなりの高水準である「あばれる」。30周年のこの機会に、ガウをスタメンに入れて使ってみよう。

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