練習初日に「来るところ間違えた」 控えで踏んだ聖地も…人生の学び得た“高校選択”

関メディベースボール学院の井戸伸年総監督(左)と人気野球YouTuberのトクサン【写真:編集部】

中学硬式の強豪監督と人気YouTuberが語る「自分に合った高校選び」

教え子を数多く甲子園常連校に輩出している兵庫県の中学硬式チーム「関メディベースボール学院」(以下、関メディ)の井戸伸年総監督と、人気野球YouTuber・トクサンが1日、野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」が5夜連続で開催しているオンラインイベント「甲子園予備校」で対談。甲子園に出場するメリット、高校選びのポイントなどについて語り合った。

井戸総監督が率いる関メディは昨年、ヤングリーグの春季大会で優勝し、その後ポニーリーグに移籍して夏の全日本選手権大会も制した。今年3月には沖縄で行われた全日本選抜に初出場初優勝。「(甲子園大会にOBが)毎回平均5人くらい出場している」(井戸総監督)というほどで、今年3月の選抜大会で兵庫・報徳学園高を準優勝に導いたプロ注目の最速151キロ右腕・今朝丸裕喜投手(3年)も、関メディ出身である。

「高校野球は学生スポーツで最大級のイベントだと思います。大観衆の前でプレーすることは貴重な経験になるので、甲子園はアスリートとして目指すべきところだと思います」と井戸総監督は語る。

一方、トクサンは東京・帝京高3年当時の2002年夏、控え選手として甲子園出場メンバー入りし、チームはベスト4入りを果たした。「部活動の一環でありながら、高校の名前を背負って勝負の環境に身を置ける。独特の緊張感はベンチにいても感じました。人生でそうそう味わえないもので、僕にとっても大きな財産になりました」とうなずいた。

将来、甲子園出場を目指す中学生にとっては「高校で体が大きくなる子もいる。一方、中学時代に活躍したからといって甲子園に出られるとは限らない。“その子に合った高校選び”が大事です」と井戸総監督が強調した。

中学3年間、選手と会話しながら見極めることが大事

ひとくちに“その子に合った高校”と言っても、「おとなしい子だから厳しい高校には行かないかというと、そうとは限らない。あえて厳しいところに行く子もいます。成長を見込んで選ぶことが大事です」と井戸総監督。

「先輩のいる高校がいいのか、2人以上で一緒の高校に行く方がいいのか、新規開拓の高校がいいのか」と、選択肢はたくさんある。「それぞれ性格があるので、われわれが3年間、選手と会話しながら見極めることが大事だと思っています」と、きめ細かい進路指導の一端をのぞかせた。

トクサンは「僕の場合は帝京入学当時、学年で1人だけ極端に小柄で、練習初日に『来るところを間違えた』と思いました」と明かし苦笑。それでも「全国制覇を狙うような高校には必ず、レギュラーがいて、控えがいて、ベンチに入れないメンバーもいます。その中で、甲子園の土を踏むにはどうしたらいいかと、必死に知恵を絞った経験は、後の人生にすごく生きました」と述懐した。

甲子園は人生の縮図。だからこそ毎年、日本中の老若男女の心をつかんで離さないのだろう。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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