2月の企業倒産 8カ月ぶり減少

2月の県内企業の倒産件数は6件で、8カ月ぶりに前の年の同じ月を下回りました。ただ、信用調査会社では倒産増加の流れは続くと見ています。

民間の信用調査会社=東京商工リサーチ奈良支店によりますと、2月、1000万円を超える負債を抱えて倒産した県内の企業は6件で、8カ月ぶりに前の年の同じ月を下回りました。負債総額も1億7200万円で5カ月ぶりに前年同月を下回っています。倒産企業はすべて従業員10人未満の小規模な企業で、負債額が1億円を超える倒産はありませんでした。

ただ、東京商工リサーチが全国の企業に2月に行ったアンケート調査によりますと、原材料費などのコスト上昇分を価格転嫁できていない企業が約4割、人件費を価格転嫁できていない企業は約半数を占めています。それにもかかわらず、今年度に賃上げを予定している企業は8割を超えており、企業収益を圧迫する要因となっています。

東京商工リサーチ奈良支店は「2月の企業倒産は減少となったが、引き続きコロナ禍での融資の返済なども抱える中、企業間の格差はさらに拡大し倒産件数は一進一退を繰り返しながら増加していくおそれがある」と分析しています。

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