アンケート「機能していない」 同級生7人からいじめ、「チクリマン」など10点の言動を認定 久喜市が報告書

小学校で同級生7人からいじめ 久喜市、10点を認定

 埼玉県久喜市の児童が2022年度に市内の小学校で同級生7人からいじめを受け長期欠席した問題で、市は1日までに調査結果報告書を市のホームページに公表した。報告書は22年9月から23年1月まで、同級生から受けた「チクリマン」「きもい、うざい」など10点の言動をいじめと認定した。

 先月28日付で公表された報告書によると、児童は23年1月26日、体育の授業でバットが左肩に当たり全治1週間のけがを負い、さらに保健室から戻ると、複数の同級生から「児童が悪い」と繰り返し言われた。

 児童は翌日から学校を休み、保護者が同30日に市教育委員会に連絡した。不登校は30日以上に達し、学校や市教委はいじめ重大事態の発生と認定。地区保護司会代表や弁護士、医師ら5人による委員会が調査し、報告書を作成した。

 報告書はけがした件を事故としたものの、バットを振った同級生が児童に「おまえが悪い」と言ったり、別の同級生がからかった点をいじめと認定した。学校は児童にアンケートを実施していたが、報告書は「いじめの文言がなく、いじめを発見するツールとして機能していない」と指摘した。

 報告書のほかに保護者側の所見も公表された。22年8月にマスクと水筒が隠され、いじめを受けている疑いを訴えたものの、学校が対応しなかったことについて、保護者は当時の記録が学校に残っていないと追及。「いじめの疑いを把握してから5カ月間対応がなく、被害が悪化し重大事態に発展した」と批判した。

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