特別支援学校+4年「何でもできる。みんなすてき」 「あかり学園久喜」で卒業式 4年卒業の全員が一般就労

あかり学園久喜の卒業式の後、合唱とダンスのフェスティバルは客席の拍手が止まらなかった=3月29日、埼玉県久喜市

 特別支援学校高等部の卒業生を受け入れる埼玉県久喜市の「あかり学園久喜」(川岸恵子代表)の卒業式が3月29日、同市の久喜総合文化会館で開かれた。同学園は障害者総合支援法に基づく就労支援のための福祉施設。2年制の青毛キャンパス(校舎)から、さらに2年間を吉羽校舎に進学し、通算4年間、社会に出るまでの学びを提供する。学園によると、吉羽校舎を卒業する5人全員が作業所などへの福祉就労ではなく、一般企業に就職する。

 青毛キャンパスからは12人が卒業し、うち9人が吉羽キャンパスに進む。3人は福祉作業所に就労。吉羽キャンパスの卒業生5人は全員がハーブ農園や、スーパー、ドラッグストアなどへの一般就労が決まった。賃金格差が大きい福祉就労ではないことが、代表の川岸さんらの喜びだ。

 卒業式で川岸さんは「皆さんは大人になった。何でもできる。みんなすてき。これからも応援します」と式辞を述べた。青毛校を卒業する染谷光輝さん(20)は生徒を代表し、「困った時に『大丈夫だよ』と励ましてくれた友だちに感謝したい」。吉羽校の横倉綾香さん(22)は「時にはつらいことも大切な思い出。たくさんの思い出をありがとう」と答辞を述べた。

 川岸さんは時々目を上げて前に立つ卒業生の顔を見つめながら、同じ文面の卒業証書を一人一人、全員に繰り返し読み上げて手渡した。式典の後、会場では卒業生も在校生も一緒に、全員が歌やダンスを披露する「あかり学園フェス」が開かれた。歌を指導した埋橋佳枝さんは「みんなが一つになった」。ダンスを指導した三好真希さんは「苦手の子も頑張った」と絶賛した。

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