マンUテン・ハーフ監督、“リベンジマッチ”で悪夢再び…敵地でブレントフォードと痛恨ドロー【現地発】

3月30日、私はロンドンのブレントフォード・コミュニティ・スタジアムで開催されたプレミアリーグ第30節、ブレントフォード対マンチェスター・ユナイテッドを取材した。

6位のマンチェスター・ユナイテッドにとっては、負けられない一戦だった。優勝争いをするリバプール、アーセナル、マンチェスター・シティには勝点で大きく差をつけられており、現実的な目標は、9ポイント差の4位アストン・ビラを上回り、来季のチャンピオンズリーグ出場権を獲得すること。残り10試合、落とせないゲームが続く。

対照的に15位のブレントフォードは、6試合勝ちなしと最近の成績が非常に悪いにもかかわらず、かなり楽観的だ。そしてユナイテッドほど、タイトルも期待されていない。これが両チームの大きな違いだ。

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そしてユナイテッドのエリク・テン・ハーフ監督にとっても、敵地でのブレントフォード戦は重要な試合だろう。彼にとってユナイテッドでのキャリアで最低の試合だったのは、今から約20か月前のこのスタジアムでのブレントフォード戦だった。昨シーズン、ユナイテッドの指揮官としての2戦目で、ブレントフォードに0-4で完敗を喫したのだ。

昨季の嫌なイメージを払拭したい“リベンジマッチ”だったが、またしても難しいゲームとなった。ハードワークするブレントフォードに多くの決定機を作り出され、試合を通して圧倒された。それでも粘り強く耐え凌ぐと、90+6分にメイソン・マウントがゴールを決めて、ユナイテッドに待望の先制点をもたらした。

しかし喜びもつかの間。その3分後には、ブレントフォードのクリストファー・アーエに土壇場で同点弾を許して、1-1で引き分けた。

ユナイテッドの指揮官は、またしてもこのスタジアムで白星を掴めなかった。悪夢再び、といったところか...。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。

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