犬が分離不安症になる『4つのNG行動』 主な症状や克服するための対処法まで

犬の『分離不安症』とは

犬の『分離不安症』とは、近年多くの犬が陥りやすいと言われている不安障害の一種です。飼い主の姿が見えなくなったり、飼い主と離れたりすることを極度に怖がり、強い不安やストレスから問題行動を起こします。

  • 吠えたり鳴いたりする
  • ものを破壊する
  • トイレを失敗する
  • 常同行動(同じ行動を繰り返す)をとる

これらの行動は、分離不安症の代表的な問題行動です。同じような問題行動が頻繁に見られるようになった際は、分離不安症を疑いましょう。

犬が分離不安症になる『4つのNG行動』

犬が分離不安症になる原因は、飼い主の行動にあるケースも多いです。ここでは、犬が分離不安症になる飼い主のNG行動をまとめているので、ご自身に当てはまっていないかチェックしましょう。

1.四六時中、愛犬の隣にいたり触れている

飼い主が在宅しているときは、四六時中愛犬の隣にいたり、無意識に触れていたりしませんか。犬は飼い主と一緒に過ごすことを好みますが、常に一緒にいる状態は共依存に陥り、分離不安症につながります。

隣にいることが当たり前になってしまい、いざ離れると強い不安や恐怖に襲われるようになってしまうため、愛犬にとっても強いストレスがかかりやすい状態です。

2.留守番直前、直後に大げさにかまう

飼い主が外出する前、しばらく寂しい思いをさせるからとたくさんスキンシップを取ったり大げさにかまっていませんか。このような行動は、留守番時とのギャップを生んでしまうため、より心細さによる不安を加速させてしまいます。

また、帰宅直後に「ただいまー!」と大きなリアクションをとってしまうと「飼い主さんも寂しかったんだ」「留守番は大変なことなんだ」と改めて実感させてしまうので、こちらも注意が必要です。

3.愛犬の甘え要求に毎回すぐに応える

愛犬からの「甘えたい」「かまって」という要求に、毎回即座に応えてあげている飼い主さんも多いでしょう。愛犬からの要求に応えてあげることは大事ですが、毎回必ず応えていると飼い主にかまってもらえる状況が当たり前になってしまいます。

すると、いざ飼い主の姿が見えなくなったり外出したりする時に「かまってもらえなくなるから寂しい」という思いがより強くなってしまうのです。

この心理が大きくなるにつれて分離不安症に陥りやすくなるので、「時にはかまえない時もあるんだよ」と在宅中でも教えてあげましょう。

4.どのような状況でも抱っこしている

愛犬と一緒に過ごしている時あるいは在宅中、常に抱っこしていたり膝の上に乗せていませんか。常に飼い主に触れている状態で過ごしていると、飼い主が離れた時に強い不安を感じるようになってしまいます。

中には散歩に行く時も抱っこした状態で歩いている飼い主を見かけますが、こちらも飼い主から離れて行動することに抵抗感を抱く原因となるのでやめましょう。

愛犬が分離不安症かも…克服するための対処法は?

もしも愛犬が分離不安症のような問題行動を取るようになった場合、早めに適切な距離感を意識しつつ、少しずつ飼い主とは別の時間を作らせることが大切です。

まずは鳴いたり問題行動を起こしたりしても過度に反応せず、無視したり黙々と片付けましょう。その後しばらくの間は愛犬にかまわず、お互い別々の時間を過ごすようにしてください。

他にも、愛犬とコミュニケーションをとる時間と別々に過ごす時間(ケージに入っている時間)を分け、メリハリのある生活を習慣づけることも大事です。

この生活を習慣化することで、徐々に自分の時間の過ごし方を愛犬なりに見つけることができ、飼い主と離れている時間も落ち着いて過ごせるようになります。留守番も短時間から少しずつ時間を伸ばして慣れさせていきましょう。

まとめ

いかがでしたか。犬が分離不安症になる原因は、日頃の飼い主の接し方に原因があるケースも多いです。NG行動に心当たりのある方は今日から改善し、愛犬との適切な距離感やメリハリのある生活を意識してみましょう。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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