「川勝節」唐突の辞意 静岡県庁騒然、市民嘆き

記者団の取材に応じる静岡県の川勝平太知事。唐突に辞意を表明した=2日午後、静岡県庁

 「職を辞そうと思う」。静岡県の川勝平太知事は2日、職業差別との批判が殺到した自身の発言を追及する記者団に対し、唐突に辞意を表明した。詳細な説明を求め追いすがる記者を振り切り、足早に知事室に戻った。予測不能な「川勝節」に翻弄された市民からは嘆きの声が漏れた。

 午後6時ごろ、川勝氏を囲んで取材が行われた知事室前には記者ら約30人が詰めかけた。冒頭、自身の発言について差別の意図はなかったと釈明。時折首をかしげながら記者の質問に応じた。

 矢継ぎ早の追及に「ひとそれぞれ受け取り方があると思う」「一部が切り取られている」などと持論を展開。取材に応じた理由を問われると「メディアのハラスメント、ジャーナリズムの質の低下を憂えている」と話した。

 記者との間で押し問答が続き、10分以上が過ぎた頃、突然辞職の意向を口にし、会見を打ち切った。知事室に向け「350万の県民に関わる話なので説明を」との声が響いた。

© 一般社団法人共同通信社