ドイツ代表、背番号「4」のフォント変更を発表…ナチス親衛隊シンボルとの類似が指摘

DFB(ドイツサッカー連盟)は4月1日、同国代表の新ユニフォームの背番号「4」について、フォントを変更する考えを明らかにした。

母国開催のEURO2024を今夏に控えるドイツ代表は、3月のインターナショナルマッチウィークでフランス代表(○2-0)、オランダ代表(○2-1)相手に2連勝を飾った。この2試合では、EURO2024に向けた新たなユニフォームがお披露目された。ドイツ代表は、2027年よりサプライヤーを母国ブランドのアディダスからナイキに変更することでも話題を集めたが、今回は前述の2試合で選手たちが着用したアディダス製の新たなユニフォームの背番号が大きな波紋を呼んでいる。

ドイツメディア『シュポルト・ビルト』によると、同ユニフォームの背番号「44」のフォントデザインが、ナチス親衛隊を示すルーン文字の「SS」に酷似しているのだという。前提として、ナチスおよびそのシンボルに加えて、これらを想起させるような表現などは、第二次世界大戦の終結以来、ドイツ国内で禁止されている。アドルフ・ヒトラーを護衛する党内の親衛隊として創設された「シュッツシュタッフェル」では、ルーン文字で表記された「SS」がシンボルとなっていたが、今回のドイツ代表の背番号「44」がこの「SS」を想起させるとして話題となっている。

一方で、今夏のEURO2024では、選手登録数に変更が加えられない限り、招集された23名の選手たちは1番から23番までの背番号を着用する予定。そのため、実際にドイツ代表の選手が「44」のユニフォームに身を包むことはない。だが、アディダスショップではユニフォームに好きな背番号をマーキングできるため、実質的に「44」のユニフォームが作成可能となってしまう。

アディダスのオンラインショップでは、「ヒトラー」や「総統」といったナチスを想起させる用語は「パーソナライゼーションに関するアディダスのガイドラインに準拠していない」ため、ユニフォームネームとして注文することはできない。だが、ゲッペルス(ナチス政権の宣伝省大臣)やゲーリング(同経済大臣)などを選ぶことはできるため、「44」とこれらのネーミングを組み合わせることも可能となっていた。

このような状況を受けて、『シュポルト・ビルト』はアディダスが「44」のユニフォームを購入できない措置を講ずる方針だと報じた。

さらに、1日にはDFBも声明を発表。「ユニフォームデザインに関するコミュニティからのフィードバックを受けて」と題して次のような言葉を綴り、急きょ背番号「4」の代替デザインを作成することを明かした。

「DFBは0~9の数字をチェックし、(実際に国際Aマッチで使用される)1~26の数字をUEFA(欧州サッカー連盟)に提出しました。ユニフォームデザインの制作過程において、ナチスの象徴に近いものを見たと指摘する関係者はいませんでした」

「とはいえ、我々は現在指摘されている問題を非常に深刻に受け止めており、議論の場を提供することは決して望んでいません。我々のパートナーである11teamsportsとともに、背番号4の代替デザインを開発し、UEFAとの調整を進めてまいります」

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