世界遺産登録20周年イベント 和歌山県高野町・九度山町で連続開催へ

「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録から20年となるのにあわせて、和歌山県・高野町と九度山町が連携して今年(2024年)一年間、さまざまなイベントを開くことになり、このほど(3月28日)、九度山町の神社で中国古筝の奉納演奏が行われました。

丹生官省符神社で演奏を奉納する伍芳さん

イベントは、「紀伊山地の霊場と参詣道」が2004年7月に世界遺産に登録されて今年で20年となることから、弘法大師・空海が開創した真言密教の聖地・高野山や、麓(ふもと)から高野山に通じる町石道など世界遺産の主要な登録資産のある高野町と九度山町が連携し、あらためて世界遺産を売り出していこうと企画したもので、4月から年末までの間に6つの大型イベントを予定しています。

このうち、今月(4月)、九度山町で開催される「伍芳(ウーファン)LIVE in 九度山」を前に、中国の伝統楽器・中国古筝(こそう)の演奏者、伍芳さんが、このほど九度山町を訪れ、イベント当日も奉納演奏を行う丹生官省符(にゅうかんしょうぶ)神社で古筝の演奏を捧げました。

北川さん(左)、宮﨑宮司(中央)と伍芳さん

伍芳さんは、「丹生官省符神社には初めて来ましたが、小鳥のさえずりが聞こえる自然の豊かなところで、マイクなしで古筝の音がきれいに響き渡る場所。私も心に振動して気持ちよく演奏できました。4月27日に再びお客様の前で演奏する際には、さらにイメージしながら曲を選んで演奏したい」と意気込みを語りました。

伍芳さんは奉納演奏のあと、ふもとにある慈尊院も訪れた

また、演奏のリハーサルには、今月27日のイベント当日、伍芳さんと対談する九度山・真田ミュージアムの名誉館長を務める北川央(きたがわ・ひろし)さんが駆け付け、「中国古筝は、紀元前の春秋戦国時代にできた楽器で、空海も唐の長安で聞いたことがあったのではないか。空海も聞いた音色を聴いてもらおうと、記念事業のキックオフイベントにした」と話しました。

高野町と九度山町が実施する世界遺産登録20周年記念事業のオープニングイベントとなる「伍芳(ウーファン)LIVE in 九度山」は、今月27日の午後2時半から九度山町ふるさとセンター5階の大ホールで開かれます。定員は220人です。

また、コンサート開催前の27日午前、丹生官省符神社で行われる伍芳さんによる、中国古筝の奉納演奏と、九度山・真田ミュージアムの北川名誉館長と伍芳さんによる「空海と日中の文化交流」をテーマにした特別対談の後、高野山への参詣道、町石道の一部を語り部とともに歩き、伍芳さんのコンサートを聴く一連のスペシャルコースが、午前11時から午後4時までの予定で開催されます。こちらの定員は30人です。

いずれも参加は無料ですが、事前の申し込みが必要で、締め切りは4月9日です。応募者が多数の場合は抽選となります。

詳しくは、インターネットサイトで検索するか、電話0736・54・2019 九度山町教育委員会内にある記念事業の実行委員会で問い合わせに応じています。

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