太陽光発電火災 水使った消火できず…経産省と蓄電池メーカーが事故原因究明へ伊佐市に職員派遣

炎を上げて燃える太陽光発電施設の倉庫=3月27日、伊佐市大口大田(住民提供)

 鹿児島県伊佐市大口大田のハヤシエネルギーシステム(鹿児島市)の太陽光発電施設倉庫で3月に起きた火災を巡り、経済産業省は2日、情報収集のため省職員を4月中に現地派遣すると明らかにした。消防や蓄電池メーカーと連携し事故原因を究明し、必要に応じて全国の太陽光発電所への立ち入り検査を実施する。

 参院経済産業委員会で立憲民主党の村田享子議員(比例代表)の質問に斎藤健経産相が答えた。斎藤氏は「今後新たな知見が得られた場合は関係業界で対策の横展開を促す」と説明した。

 村田氏は昨年12月、横浜市内の小学校の太陽光発電施設でも蓄電池が発火した事故に言及。伊佐の火災では感電や爆発の恐れがあり水をかける消火活動ができず「地元では延焼を心配する声も上がった。ぜひとも対策を」と述べた。

 火災は3月27日、蓄電池が設置された建物から出火し1棟全焼。消防隊員4人が負傷した。経産省は翌28日にも職員を派遣し警察や消防の実況見分に立ち会った。

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