「体重80キロの私が座っても潰れない」災害時のトイレ問題 身近な段ボールでの備え方【わたしの防災】

災害が起きる前に備えておきたいものは、水や食料だけではありません。能登半島地震では「トイレ」が大きな問題となりました。トイレは、身近にある「段ボール」を材料にして備蓄ができ、メリットもたくさんあります。

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<篠原大和記者>
「身近なものを使って作れるトイレが、こちらの段ボールトイレです。体重80キロの私が座っても潰れない丈夫なつくりです」

能登半島地震では断水や停電が続き、多くのトイレが使えなくなりました。

<被災者>
「(仮設トイレは)便器にお尻をつけるのも嫌だし、半分立ってするような」

仮設トイレは待ち時間や衛生面の心配があり、和式の場合は高齢者などにとって大きな負担になります。静岡県藤枝市で防災講座を開いている「藤枝災害支援ネットワーク」の吉田令子代表に段ボールトイレの作り方を聞きました。

<藤枝災害支援ネットワーク 吉田令子代表>
「災害時は自宅のトイレが使えるとは限りません。段ボールトイレは軽くて持ちやすくて、どこへでも運べる。自分や家族専用に利用できることが大きい」

材料は同じくらいの大きさの段ボール箱2つ。それとは別に、もう1箱分ほど段ボールを用意します。

まずは、2つの段ボール箱を重ねます。

次にフタを仮止めして、カッターやハサミで四角、もしくは楕円形の穴を開けていきます。

さらに、箱とは別に用意した段ボールを丸めて支柱を作り、四隅や側面にはめ込みます。

<藤枝災害支援ネットワーク 吉田令子代表>
「支柱があることで、座ったときにトイレが沈まない。より頑丈になります」

最後にトイレの保護用と使用後の交換用に2枚のビニール袋をかぶせます。

<藤枝災害支援ネットワーク 吉田令子代表>
「用を足すときに水分を吸収することが大切。私たちはペット用のシートをおすすめしています。比較的安くて、身近で買える、吸収力もあり、臭いも軽減する」

シート1枚で約100ミリを吸収できる製品です。水分の量によって使う枚数を調整します。ホームセンターなどで売っている凝固剤をふりかけるのも有効です。200ミリの水があっという間に固まりました。使用後は、内側の袋ごと取り出してフタつきのバケツなどで保管。可燃ゴミとして処分します。

テントなどと組み合わせれば、人目に触れる可能性がある場所でも安心です。

藤枝市に住む池田まり子さんです。段ボールトイレ作りに初めて挑戦しました。普段、工作はしないという池田さんですが、30分ほどで作ることができました。

<池田まり子さん>
「大丈夫です。しっかりできました。簡単に主婦でもできると思いました。一度作ってみて分かりましたので、家に戻って家族と一緒に作りたい」

<藤枝災害支援ネットワーク 吉田令子代表>
「食べたり飲んだりするのも大切ですが、同じくらいトイレのことを考えるのも大切。一度作ると作り方を覚えられると思うので、トイレの備蓄として作ってみてください」

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