恐るべき名家・旧家の嫁の実態 #3「義母の“怪しい発言”」

名家、旧家と言っても、名家は“社会的に貢献をした人物”を輩出している家。名声を得ており、視点は常に外に向かっています。

一方、旧家は土地に密着しており、代々長く続く家。自分の家や血筋を守ることが目的で、視点の方向は内側です。

この二つは似ているようで異なっていますが、「家を受け継いでいく」という考えは同じです。

一般家庭に育った人にとっては「名家? 旧家? そんな旧態依然な家なんてあるの?」という感じですが……。

妻は身を粉にして働き、家に尽くす。ただただ、家の名誉と存続だけが使命なのだそう。ヒエ~恐ろしや。

今回は、そんな“一般家庭からかけ離れた家”のエピソードをご紹介します。

「義両親は『ウチは財産はないけれど家柄はお墨付き』と、いつも吹聴して回っていました。ナントカという偉人の、その孫のいとこのいとこの婚家の血筋だとかで、『だからみんな顔立ちに品がある』と自慢しています。

私の両親にも得意顔で語っていましたが、その話が本当なのかどうかいまだに分かりません。仏間に飾られた数々の写真を見ても、いったい誰が偉人なのかピンとこないですし、とくに上品とも思えない面々です。

夫に聞いても『俺もよく分からない』と首をかしげていましたが、義母はことあるごとに、平凡なサラリーマンの家庭出身の私を『どこの馬の骨とも分からない人』とバカにしていました。

『自分だって田舎から嫁入りして来たくせに、私の実家を見下さないで!』と、毎日のように心の中で腹を立てていましたが、その義母も89歳で亡くなり、今では遺影写真に加わって飾られています」(59歳・女性・関東)

このように、有名な血筋を言いふらす行為はあまり信憑性がなさそう。というのも、誰かの冗談や、酒の席での話に尾ひれがつき……ということも大いにありえるからです。

家系図でもない限り、話半分で聞いた方がいいかもしれません。でも、義両親に「そんなのは分からない」なんて指摘するわけもいきませんから、聞き流したほうがよさそうです。

それにしても「馬の骨」とはひどい言い草。そんなことを平気で言うようでは、由緒ある家柄に嫁いできた人とは思えません。もしかしたら、義母もそう言われ続けていたのかもしれませんね。

(ハピママ*/ たえなか すず)

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