立憲・山井和則議員 「紅麹」サプリ被害を追及「〝アベノミクス〟の成長戦略で導入したのになぜ、米国制度より緩くなったのか」

立憲民主党の山井和則衆院議員

立憲民主党は2日、国会内で小林製薬が製造した「紅麹」を使ったサプリメント(健康食品)を摂取した人に健康被害が出ている問題で政府からヒアリングを行った。

「紅麹」成分を含む「紅麹コレステヘルプ」を摂取した人が腎臓の病気などを発症。昨年に製造された紅麹原料の製品から製造工程では想定しない「プベルル酸」という成分が確認されている。

冒頭、大西健介衆院議員は「健康になりたいと思ってですね、サプリメントを摂取した人が、健康を害する、5人も死者が出るというのは、由々しき事態だと思っています」と語った。

山井和則衆院議員は3月31日にフジテレビ「日曜報道 THE PRIME」に出演した際、機能性表示食品が安倍晋三元首相の成長戦略「アベノミクス」の成長戦略の一環でできた制度だと述べていた。

大西氏は「紅麹」について「業界からの要請で届け出のみによって、こうした表示制度を作ってほしいということで作られた。発足当初から、安全性や科学的な面で『大丈夫なのか』という声もあったですけど、今回こういう事件が起きた。この制度を参考にした米国のダイエタリーサプリメント制度では、事故があって健康被害があった場合には速やかに報告する義務が法律で課せられています。今回は1月15日に(被害が)あったのにも関わらず、2か月以上報告がなかった。その間に被害が拡大した恐れがあります」とした。

山井氏は「米国のダイエタリーサプリメント制度を参考モデルに〝アベノミクス〟の成長戦略として日本に導入したのになぜ、米国の制度より緩くなってしまったのか。ここが最大の謎なんですよね。同じ制度ならわかるが、なぜ緩くしたのか」とした上で消費者庁の担当者にこう質問した。

「日本で法制化する時に健康被害の義務化を入れないで、法的拘束力がないガイドラインにしかしなかったのか。法律化していたら、今回2か月も放置されずにすぐに健康被害の報告が出て被害拡大が防げたかもしれないです。今後5月末までに検討するいうことで早急に機能性表示食品に限って、報告義務の法改正で入れるということを検討すべきではないか」

これを受けて同庁担当者は「この機能性表示食品制度は10年目ですけども、規制改革の一環で導入された背景がある。5月末までに法改正すべきではないかということですが、私の方でこの場で『はい、そうです』と申し上げられないので検討してまいりたいと思います」と答えた。

同党は3日の厚生労働委員会で政府に対して紅麹サプリ健康被害問題について追及する意向だ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社