【柔道】パリ五輪代表・斉藤立がつかんだ〝絶対王者〟攻略への手ごたえ「自分の対策はドンピシャ」

羽田空港で取材に応じた斉藤立

柔道男子100キロ超級でパリ五輪代表の斉藤立(JESグループ)が、絶対王者攻略への手ごたえをつかんだ。

斉藤はグランドスラム(GS)アンタルヤ大会で順当に勝ち進むと、決勝では五輪を2度制覇しているテディ・リネール(フランス)と激突。序盤から積極的に仕掛けて指導2つを奪ったが、最後は逆転負けを喫した。2日に羽田空港に帰国した斉藤は試合を振り返り「もったいない負けだった。(残り時間が)あと1分あったので、余計に悔しい」と唇をかんだ。

一方で、収穫もあった。「自分の土俵で組み手をしようと思ってやって、技への恐怖心もなくなった。自分が対策していたことをすごく嫌がっていて、ドンピシャだった」と前を向いた。

斉藤の持ち味は一本で勝つ柔道だ。パリ五輪100キロ超級の代表選考で、影浦心(日本中央競馬会)との一騎打ちを制した際にも、一本勝ち率の高さを高く評価されていた。それでも「ただ、がむしゃらに技をかけるのではなく、技のかけ方も大事。指導が2個先行していたら、1個取られてもいいから冷静になるというのも一つの手だった」と課題を痛感。「終わってからいろんなことが言えるということは、まだ伸びしろがあるということ」と先を見据えた。

さらに、男子日本代表の鈴木桂治監督も斉藤の戦いぶりを「ポカが多い選手で、(準決勝までの試合で)今回もそれが出そうになっていたが、なんとか逃げたり、指導2を取られてもそこから逆転したりという場面もあって、少しは成長しているのかな」と評価する。父で五輪2連覇の実績を持つ故斉藤仁さんとの親子2代金メダル獲得に向けて、ノンストップで突き進む。

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