【早出し】ガンドゥさん、米沢の地域おこし協力隊員着任 県縦断駅伝出場、部活指導も

近藤洋介市長から地域おこし協力隊の事例を受けるガンドゥ・ベンジャミン・デゴワさん(左)=米沢市役所

 東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)で区間賞を獲得するなど活躍したガンドゥ・ベンジャミン・デゴワさん(32)=ケニア出身=が米沢市の地域おこし協力隊員に着任し、2日、辞令交付式が行われた。低迷する県縦断駅伝競走大会の米沢チームの底上げを担うほか部活動やスポーツ少年団などでの指導も予定し、「走る楽しさを伝えたい」と意気込む。

 ガンドゥさんは日本大4年時の2013年の箱根駅伝で、各大学がエースをそろえる「花の2区」で12人抜きし、区間賞を取った。卒業後は実業団に所属し、16年の大阪マラソンで優勝。20年から今年3月まで栃木県壬生(みぶ)町の地域おこし協力隊員を務めた。同県郡市町対抗駅伝競走大会で9人抜きするなど、同町チームの躍進に貢献した。

 駅伝米沢チームは、1980~90年代は県縦断駅伝で上位の常連だったものの、近年は成績が振るわず、直近5回は11チーム中10、11位に甘んじている。市はこの状況を打開し、将来に向けて競技力向上を図ろうと、地域おこし協力隊員として経験豊富な人材を県駅伝の助っ人要員として配置しようと考えた。「1万メートルの記録が31分59秒以内」などの条件を設けて募集したところ、壬生町での任期満了を迎える時期だったガンドゥさんから応募があり、採用が決まった。

 市役所で行われた辞令交付式で、近藤洋介市長から辞令を受けたガンドゥさんは「これまでの経験を生かし、子どもたちにスポーツの大切さを教えたい」と抱負を述べた。3月末に米沢に移住後も、毎日30~35キロ走っているといい、県縦断駅伝では「チームで優勝、個人で区間賞を狙う」と語った。

 任用は1年単位で、期間は最長3年。同市では、各種大会に出場するとともに、小中学生らへの指導に取り組む。英語力を生かし、交流サイト(SNS)で陸上に関し、発信する。富取桂樹市スポーツ課長は「ここまで超一流の方が来てくれるとは。駅伝メンバーのモチベーションアップにもつながるし、子どもたちにも刺激を与えてほしい」と期待を込めた。

かすみがうらマラソンで優勝し、ゴールテープを切るガンドゥ・ベンジャミン・デゴワさん=昨年4月、茨城県(本人提供)

© 株式会社山形新聞社