米中、閣僚レベルで対話推進へ 首脳電話会談、台湾問題でけん制

バイデン米大統領(ゲッティ=共同)、中国の習近平国家主席

 【ワシントン、北京共同】バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は2日、電話会談した。中国外務省によると習氏は台湾問題で米国をけん制。一方で双方は関係安定化へ向け幅広い分野での意思疎通継続を確認。ホワイトハウスによるとブリンケン国務長官とイエレン財務長官の訪中で合意し、対話推進を確認した。対立激化や衝突を防ぐため、国防相を含め閣僚レベルで対話を推進する。

 米政府高官によると、イエレン氏は4日から、ブリンケン氏は数週間以内にそれぞれ訪中する。

 米中首脳の会談は昨年11月に対面で実施して以来。今年1月の台湾総統選で中国が独立派と見なす民主進歩党の頼清徳氏が当選した後では初めて。

 習氏は「台湾問題は中米関係の第一の越えてはいけないレッドラインだ」と述べた。「中米関係や双方が共に関心を持つ問題」について意見交換したという。

 バイデン氏は台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し中国船が南シナ海でフィリピン船に危険な行動を繰り返していることを懸念。習氏は台湾や南シナ海に中国の主権が及ぶとの主張を展開したとみられる。

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