犯罪の前兆事案…声かけ、つきまとい増える春 子どもや女性だけじゃない、男性も被害に 鹿児島県内23年は過去最多1096件

 鹿児島県警が2023年に把握した子どもや女性への声かけ、つきまといなどの「前兆事案」件数は、前年より29件多い1096件(暫定値)で過去最多となった。高校生以下の被害は全体の6割超だった。県警は、防犯意識の向上や教育機関での指導による通報増加が一因とみている。

 生活安全企画課によると、高校生以下は676件で全体の61.6%。過去5年間でみると男性の被害も増加傾向にあり、173件中150件が中学生以下だった。発生時間は下校・帰宅時間の午後3~7時台が約45%を占めた。時期は5月が最多の121件、4月の116件が続く。

 前兆事案の認知件数は16年に過去最多となってから4年連続で最多を更新。21年に微減したものの、22年、23年と2年連続で再び最多件数を上回った。

 春に被害が増える傾向があり、県警は日常生活の中で防犯の視点を持つ「ながら見守り」を推奨。後迫克章理事官は「日常の一コマで子どもたちを見守る意識を持ってもらえれば。通学路を決める時はなるべく人目の多い道を選んでほしい」と話した。

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