【カンボジア】中銀総裁、リエル建て給与支払いを呼びかけ[経済]

カンボジア国立銀行(中央銀行)のチア・セレイ総裁は、国内の企業に対し、従業員に支払う給与をリエル建てにするよう呼びかけた。労働者の利便性を向上させるとともに、リエルの価値を高めることが目的としている。同国では、米ドル建ての給与支給が一般的になっている。クメール・タイムズ(電子版)が1日伝えた。

同総裁は先ごろ開かれた「リエル再導入44周年記念式典」で講演。「リエル建てで給与を受け取ることに利点があるにもかかわらず、多くの労働者は依然として米ドルで受け取っている」と指摘した上で、給与の支給通貨について国連開発計画(UNDP)と共同で実施した調査の結果を明らかにした。

調査は繊維、衣料、履物の各産業に従事する労働者を対象に実施した。その結果、これらの産業では労働者の80%が米ドル建てで受け取っているが、日常の生活費の支出、家族への送金はリエル建てで行われていることが判明。同総裁は、両替の手間と手数料がかかるとして、給与の支払いはリエル建てが望ましいと主張した。

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