栃木県教委、教職員の盗撮や性的言動も免職に 児童生徒へのわいせつ行為相次ぎ 私的なやりとりも処分対象

県教委が入るビル

 栃木県内で教職員による児童生徒へのわいせつ行為が相次いでいることなどを受け、県教委は2日、県教職員懲戒処分の基準を一部改正、免職とする対象を拡大して盗撮や性的言動などを加えた。また交流サイト(SNS)でのやりとりをきっかけにわいせつ行為に及ぶケースが目立ったことから、児童生徒との私的なやりとりを禁止する項目を明記し、新たに処分対象とした。県教委は教職員や児童生徒、保護者らへの周知を経て5月1日から適用する。

 県教委によると、児童生徒へのわいせつ行為で懲戒処分を受けた教職員は、2014年度以降の10年間で計16人。うち14人がSNSを通して、学校や業務と関係のない私的なやりとりを児童生徒と行っていた。23年度は処分が4人と後を絶たず、県教委は厳罰化し抑止効果を高める方針を決めた。

 免職の対象拡大は、国の基準に準じたもの。これまでの県教委の基準では「わいせつ行為」としていたが、改正で「児童生徒性暴力等」に変更。従来の性交やわいせつ行為に加え、衣服の上から身体に触れる行為や、下着や身体の盗撮、性的羞恥心を与える悪質な言動などを免職の処分対象とした。

 SNSでの私的なやりとりの禁止に関しては新たな懲戒処分対象となり、違反した場合は戒告に。執拗(しつよう)な連絡や暴言など著しく不適切なケースは、停職や減給にするとした。

 県教委は22年3月以降、SNSでの私的なやりとりを禁じてきたが、処分基準では明文化していなかった。一方で処分基準の改正後も不登校事案などを念頭に、管理職の許可を得ればSNSでのやりとりは可能としている。

 県教委は「子どもたちの被害をなくすため、教職員に改めて自覚を促すきっかけにしたい」としている。

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