小林製薬(大阪市)の「紅こうじ」を使ったサプリメントを巡る問題で、栃木県内在住の3人から健康被害を訴える相談が県内保健所にあったことが2日、県と宇都宮市への取材で分かった。この他にも、健康不安など19件の相談が寄せられている。
健康被害の訴えは2日午後5時までに、県保健所へ1件、宇都宮市保健所に2件あった。いずれも回収命令の対象となっているサプリを摂取した人だという。
県と宇都宮市は年代や性別、症状など詳しい情報は明らかにしていない。ともに「現時点でサプリによる健康被害かは不明」としており、聞き取った内容を厚生労働省に報告した。
健康被害以外では「症状は出ていないが不安になった」「原材料に紅麹(べにこうじ)とあるが大丈夫か」などの相談が寄せられた。
また県によると、保健所とは別に県内の消費生活センターでも問題発覚以降、計12件の相談を受けた。小林製薬の「紅こうじ」だけでなく、別会社が製造した同名の原材料について安全性を心配する相談もあったという。
県医薬・生活衛生課は「体調不良がある人は医療機関を受診し、最寄りの保健所にも相談してほしい」と呼びかけている。
「紅こうじ」を巡っては、小林製薬が3月22日、摂取した人に腎疾患などの症状が発生していると発表した。金谷ホテルベーカリー(日光市土沢)が紅こうじ原料を使っていたパンを回収するなど、県内にも影響が出ている。