ひみ番屋街に能登土産 被災で休業、つらさ共感

能登の復興を支援するため応援商品を拡充したコーナー=氷見市北大町のひみ番屋街

  ●のどぐろ、能登牛商品拡充

 氷見市の観光施設「ひみ番屋街」は、能登半島地震で能登の土産店などが休業したため引取先のなくなった石川の特産品を納入し、「復興応援」として販売している。施設は一時、断水の影響で休止し、1月中に再開。被災して営業できない同じつらさを味わっただけに、運営する氷見まちづくり株式会社は「少しでも能登復興の力になりたい」と応援に力がこもっている。

 能登復興応援の販売コーナーを設けたのは施設内の農産品直売所「みのりの番屋」で、1月下旬から順次、商品点数を拡充。2日までに、能登牛そぼろや能登豚味噌、能登牛カレーそぼろ、のどぐろのっけ飯の4品目を追加し、計10品目を扱っている。

 まるごと氷見1号館でも能登産の銘菓など菓子類30品目以上を販売しており、応援しようと観光客らが買い求めている。

 能登の特産品は、主な販売先だった地元の土産店、観光施設などが地震で損壊したり、休業したりした。在庫のたまった製造会社の窮状を聞き、ひみ番屋街が協力を申し出た。

 ひみ番屋街は地震後に一時休業したが、1月27日から全店舗で営業を再開。震災からの復旧が進み、平常を取り戻した段階で能登の復興応援を始めた。現在では観光客の入り込みは震災前の状況まで回復したという。

 番屋街の関係者は、再開後も一時は客足が遠のき、苦しい時期があっただけに、一層、能登の惨状には心を痛めている。氷見まちづくり株式会社の本多正樹事業課長は「能登は一緒に手を取り合ってきた仲間。自分たちもつらい思いをしただけに、能登の大変さが分かる」と話した。

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