金沢都心に商品券特需 プレミアム率40%で人気

平日でも大勢の人でにぎわう金沢市の片町スクランブル交差点=2日午後7時半

  ●片町の飲食店「平日もずっと満席」

 金沢都心の繁華街が「商品券特需」に沸いている。プレミアム率40%、1万円で1万4千円分の買い物ができるお得感から、取り扱う地元商店街に引き合いが殺到。歓迎会シーズンが重なったこともあり、片町の飲食店では平日でも満席の店が目立つ。商品券は今週末以降、市内の別のエリアでも発売される予定で、関係者はにぎわいの波及に期待を寄せる。

 「きょうは飲むぞ」。2日夜、片町スクランブル交差点周辺。仕事帰りの会社員や観光客のグループが楽しげに会話しながら歩いていた。1月の地震後は週末でも人影がまばらだったが、この日は大勢の酔客が行き交っていた。

 「最近は平日でも満席の日ばかりだ」。片町2丁目の「金沢炉端あっぱれ金沢片町店」のスタッフは、大入りを喜んだ。地元企業などの歓迎会に加え、被災地で復旧・復興支援に携わる県外関係者の利用も多いという。

 にぎわいの起爆剤となっているのが地元商店街によるプレミアム商品券だ。飲食店などの消費喚起につなげようと金沢市がプレミアム分を全額負担しており、3月中旬以降、市内6商店街が取り扱いを始めた。

 商品券は1セット当たり1万円で1万4千円分、5千円で7千円分の飲食や買い物ができ、購入希望者は多い。例えば、5万円を支払えばプレミアムは2万円となるだけに「買わない手はない」と限度枚数いっぱいまで買い込む人もいるという。

 3月16日に販売を始めた金沢城兼六園商店会では、既に5千円の券8千冊のうち4分の1が売れた。同会の宇田直人会長(49)は「3月末からお客さんがどっと増えた。急激に戻ってきた気がする」と商品券効果の大きさを口にする。

 金澤片町伝馬商店街でも売れ行きが好調で、販売場所となっている約70店舗からは「券を追加で送ってほしい」との要望が次々に寄せられているという。

 片町商店街振興組合の諸江洋理事長は「プレミアム商品券の恩恵は物販の方に強く出る傾向があるが、今回は飲食への恩恵も大きい」と指摘。木倉町にある「居酒屋割烹 源左エ門」の担当者は「商品券に新幹線の延伸、北陸応援割と人を呼ぶ仕掛けが生きている。この流れが続いてほしい」と語った。

  ●近江町、香林坊、広坂など販売へ

 金沢市によると、商品券は市内39商店街が販売する予定。5、6日に近江町市場、10日に香林坊や広坂など4商店街、13、14日に諸江地区や金沢中央市場通りなど5商店街、20、21日に武蔵や横安江町など6商店街がそれぞれ発売する。

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