旧井波美術館に日本料理店 南砺、県産食材と呉西の工芸品 水上さん「目と口で楽しんで」

県西部の伝統工芸品を使ったお膳や器を紹介する水上さん=南砺市井波

 南砺市の旧井波美術館の施設を活用して日本料理店「施膳(せぜん) ろくざんさFrom INAMI」が開業した。砺波市中野出身の水上喜貴さん(42)が10年間営んだ同市表町の料理店を移転した。膳や食器などに井波彫刻、庄川挽物(ひきもの)木地、福岡町の菅笠、五箇山和紙など県西部の伝統工芸をふんだんに使い、県産食材のコース料理とともに目と味覚で楽しんでもらう。

 水上さんは京都の料亭などで10年の修業を経て、2014年からJR砺波駅前に「食堂633」を営んできた。店は50席あったが、近年の人手不足もあり、妻の智美さん(33)と2人でできる店を探していた。

 店は1924(大正13)年の建造で、ルネサンス様式の外観が特徴、店内はカウンター10席となっている。

 水上さんは「富山の海山の食材を使った料理と伝統工芸の良さを県内外に伝えたい」と話した。

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