新湊の魚すし握り応援 実家すし店の高専生 試食会好評、古民家で振る舞う

すしを振る舞う釣谷さん=射水市西高木

  ●東京の高級店が助言

 能登半島地震で被害を受けた富山県内の漁業を応援しようと、実家が射水市新湊地区ですし店を営む、富山高専専攻科1年の釣谷成龍さん(20)が自分で握ったすしで、県産魚をPRしている。東京・四谷の高級店「後楽寿司 やす秀」の綿貫安秀店主が協力し、イベントなどで振る舞う計画だ。イベントでは寄付も募り、漁業関係者の支援に充てる。

 釣谷さんは幼少期から漁業が身近にある生活を送った。富山高専では情報系の技術を学んでいるが、すし職人になりたいとの夢もある。

 能登半島地震の発生後、漁獲量が減り、観光客の減少に悩む漁業関係者の姿に接し、何か支援することはできないかと考え、チャリティーを盛り込んだ活動をすることにした。

 釣谷さんは今まで、すしを握ったことはなかったため、1月から実家で握る練習を重ねている。やす秀店主でテレビ番組でも料理の審査員を務める綿貫店主が釣谷さんに助言する。

 今回の活動では、射水市の若者グループ「とやまのめ」のイベントや活動拠点である西高木の古民家に訪客がある際、富山湾で水揚げされた魚介類を使用したすしを提供することで県外の人らに富山の魅力を伝える。

 3月23日は関係者向けの試食会が行われ、シロエビやイワシなど地場食材を使用したすしを振る舞った。釣谷さんは「おいしいと言ってもらえて良かった。これからも良いすしを握っていきたい」と意気込んだ。

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