横断歩道 車は「とまっ手」 ロボッツ選手や市民 交通安全呼びかけ 茨城・水戸市が啓発動画

横断歩道を挟んでロボスケに呼びかける市民が映った動画の一場面

横断歩道での車の一時停止率を少しでも向上させようと、茨城県水戸市は2日までに、交通安全の啓発動画(約1分40秒)を作成、ネット上で公開した。バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)茨城ロボッツの選手や市民ボランティアが出演し、歩行者が手を上げて横断を伝える市のスローガン「とまっ手Mito」を紹介。横断歩道での歩行者優先を呼びかけている。

動画は、チーム公式キャラの「ロボスケ」と市民が横断歩道を挟んで歩み寄ろうとするものの、車が歩道前で止まらずに走り抜けていく内容。日本語、英語、中国語、韓国語版もそれぞれ作成した。日本語版は中村功平選手が、英語版ではチェハーレス・タプスコット選手がナレーターとして登場。「横断歩道で横断者がいる時は必ず一時停止をして」と求めている。

市公式のユーチューブチャンネルで公開され、アダストリアみとアリーナで開催されるロボッツの試合会場でも上映される。

日本自動車連盟(JAF)が2023年に実施した調査によると、信号機のない横断歩道で一時停止した車の割合は、茨城県が全国ワースト5位の27.6%で、全国平均は45.1%だった。20年時点は茨城県27.3%、全国平均21.3%だったため、茨城県が全国平均に追い抜かれた格好だ。

市による22年の調査では、車の一時停止率は28.1%だったが、手で車に合図を送った場合には81.3%と大きく向上することが分かった。このことから市は同年から「とまっ手Mito」と名付けたスローガンで、歩行者の安全な渡り方をアピールしている。

市生活安全課は「横断歩行者の保護は運転者の義務。車の停止率が向上して安全に横断歩道を渡れるまちを目指したい」とPRしている。

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