「まだNISAをやってないの?」という友人。老後まで20年と短く不安ですが始めた方がいいですか?

NISAを始める前の準備を3つに絞って解説

新NISAがスタートして3ヵ月が経ちました。周りでも、NISAをやっているか話題にする人も増えたのではないでしょうか。

「まだNISAをやってないの?という友人がいます。老後まで20年と短く不安ですが始めた方がいいですか? 」という相談が届きました。

特に40歳代は、老後まであと20年程度なので、本当に投資で増やすべきなのか同じように悩んでいる人もいるでしょう。

そこで、今回は老後まであと20年という人向けに、NISAを始めるべきか解説します。

NISAを始めた場合にどのように資産が推移するかもグラフでまとめているので、ぜひ参考にしてください。記事の後半では、NISAを始める前の準備を3つに絞って解説しています。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

40歳代はNISAを始めるべき?

結論としては、40歳代からでもNISAは始めるメリットがあります。

その理由は、以下の2つです。

  • 非課税期間が無期限となっているから
  • 保有するだけで追加投資する必要がないから

NISAは、投資で得た利益が非課税で受け取れる優遇制度です。

通常は、配当金や投資の売買で得た利益には、20.315%の税金がかかります。

しかし、NISA口座を利用した投資については、利益が生じても課税対象となりません。

将来の資産形成に向けて、NISAは活用すると良いでしょう。

投資で得た利益を非課税で受け取れる期間は、無期限となっています。

40歳代からNISAを始めても、70歳代まで約30年あるので、老後の後半に向けた資産形成に役立つでしょう。

また、新NISAでは積立をストップして保有し続けられます。

そのため、自分の収入や支出状況に合わせた投資が行えます。

たとえば定年退職までは積立投資を行い、その後は追加投資をやめて保有し続けることも可能です。

柔軟に投資額の変更もできるため、40歳代からスタートしても遅くないでしょう。

一般的に、運用する期間が長くなると、複利効果が大きくなります。

投資期間と複利効果の関係

では、新NISAを始めると資産はどのように変化していくのでしょうか。

想定利回りが年3%で20年間、積立投資を続けた場合いくら運用益が出るのか、毎月の積立額ごとにグラフでシミュレーションしましょう。

ただし、実際の利益は運用後でしか確定しないため、あくまでも例となります。

20年後の運用益をシミュレーション

40歳代が新NISAを始めて20年経過した場合、運用益がいくらになるか確認しましょう。

想定利回りが年3%で20年間、積立投資を続けた場合いくら運用益が出るのか、毎月の積立額ごとにグラフでシミュレーションします。

毎月3万円で積み立てた場合

毎月3万円ずつ積立投資を20年間継続した場合、投資元本720万円に対して運用収益が264万9000円となりました。

毎月3万円で積み立てた場合

最終積立金額は984万9060円になります。

毎月5万円で積み立てた場合

毎月5万円ずつ積立投資を20年間継続した場合、投資元本1200万円に対して運用収益が441万5000円となりました。

毎月5万円で積み立てた場合

最終積立金額は最終積立金額1641万5100円になります。

毎月7万円で積み立てた場合

毎月7万円ずつ積立投資を20年間継続した場合、投資元本1680万円に対して運用収益が618万1000円となりました。

毎月7万円で積み立てた場合

最終積立金額は2298万1140円になります。

以上から、投資期間が20年あれば、複利効果で効率よくお金を増やせるでしょう。

では、NISAを始める前に準備しておくべきことを確認しましょう。

NISAを始める前の準備3つ

NISAを始める前に準備しておくポイントは、以下の3つです。

  • 投資計画を立てる
  • 投資に回す資金を明確にする
  • 分散投資を心がける

それぞれのポイントについて確認しましょう。

投資計画を立てる

NISAの活用で「いつまでに」「いくら」増やしたいのか、投資目標を決めましょう。

目標が定まれば、投資期間や投資額を設定します。

また、どの程度まで損失を許容できるのか、自分がリスク許容度を把握しておきましょう。

リスク許容度は、投資によるマイナスをどこまで許容できるかの限度額です。

リスク許容度を超えた投資をすると、運用成果に一喜一憂してしまうリスクがあります。

そのため、年齢や性格、収入や資産、投資経験などから、リスク許容度を把握しておきましょう。

投資に回す資金を明確にする

次に、投資に回す資金を明確にしましょう。

まず、病気や転職など突発的な資金が必要なケースを想定して、生活費の半年分は貯金してください。

半年分の生活費が確保できたら、余剰資金をNISAに回して資産運用を始めましょう。

分散投資を心がける

投資期間や投資額が定まったら、どの銘柄で投資するか検討しましょう。

その際に、異なる値動きをする資産を組み合わせると、リターンとリスクのブレが少なくなる期待値が高いです。

どの銘柄に分散投資するかは、リスク許容度や想定利回りを考慮しながら決めてください。

NISAは余剰資金でコツコツ始めましょう

日銀が2024年3月21日に発表した「資金循環統計」によると、2023年12月末における家計の金融資産は、2141兆円で過去最高を更新しました。

貯蓄から投資に振り切る人も、徐々に増えているといえるでしょう。

新NISAは、非課税で保有できる期間が無期限となっているので、40歳代でも将来の資産形成に役立つ制度です。

余剰資金を長期間コツコツ積立投資に回せば、まとまった老後資金として活用できるでしょう。

参考資料

  • 金融庁「資産運用シミュレーション」
  • 金融庁「投資の基本」
  • 日銀「資金循環統計」

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