鹿島と東北大学/CO2排出量削減の材料開発促進、共創研究所を設置

鹿島と東北大学は2日、「鹿島×東北大学 環境配慮型建設材料共創研究所」を開設したと発表した。東北大のリソースや技術と、鹿島が持つ建設技術のノウハウを組み合わせて、二酸化炭素(CO2)の排出量低減、吸収・固定化を実現する新たな建設材料を開発する。CO2排出量の削減効果が高い未利用副産物の利用に加え、製造方法の検討なども行う。2027年3月31日まで設置する。
同研究所は鹿島の学内拠点と位置付け、東北大工学系の材料研究者と連携を図り、建設材料以外の多様な分野を対象にCO2排出量の削減につながる材料を幅広く開拓する。東北大の材料に関する研究データと、鹿島の建設技術ノウハウを組み合わせる。CO2を吸収・固定化できる安価で大量に入手可能な原材料を探求。原材料を利用した建設材料の開発と実用化を目標に研究を進める。
開発材料の社会実装では工学以外の研究者と連携し、東北大のリソースを最大限に活用。事業化のスキームを検討する。
現時点で未知、未利用のCO2吸収・固定化材料の実用化が達成できれば、将来的に環境配慮型建設材料の安定供給が可能になると期待される。今後、建設分野以外の工学系材料研究者との連携過程で、全く新しい材料の発見や若手研究者の育成にもつなげたい考えだ。

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