【桜花賞】チェルヴィニア、コラソンビートは消し ハイブリッド式消去法

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の大阪杯ではベラジオオペラ、プラダリア、キラーアビリティの3頭が消去条件を免れていた。特注としたプラダリアの凡走こそ残念だが、ベラジオオペラが見事に勝利を収めてくれた。

今週は4月7日に阪神競馬場で行われる桜花賞(GⅠ)を予想する。今回は登録馬27頭の内、除外対象となる8頭を除いた19頭から絞り込みを行う。過去10年(14~23年)のデータから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去していく。

『前走・非重賞』×『敗戦経験あり』 ★0.0%★

前走クラスに着目すると、非重賞レースからの転戦馬は【1-0-0-34】(複勝率2.9%)とほとんどが凡走していた。唯一この組から好走したのは、後に無敗で牝馬三冠を達成したデアリングタクト(20年1着)だけ。

また、この組の馬の過去戦歴を見ると、無敗のまま当レースに挑んだのはデアリングタクトのみ。他の馬は全て当レース以前に敗戦を経験しており、その成績は【0-0-0-34】(同0.0%)となる。

今年は3頭が重賞以外からの転戦となるが、どの馬も既に敗戦を経験している。過去に34頭全てが沈んだデータを覆すことは難しいと判断する。

【今年の該当馬】
・キャットファイト
・テウメッサ
・ライトバック

『前走・阪神芝1600m以外』×『前走2人気以下』 ★2.2%★

今回の同条件である阪神芝1600mが前走だった馬は【6-10-6-37】(複勝率37.3%)と抜群の成績を収めている。阪神JFやチューリップ賞といった同条件のレースが当レースに直結していることがデータにも表れている。

これに対して、前走が阪神芝1600m以外だった馬は【4-0-4-111】(同6.7%)となっている。勝ち馬も複数出ているが、全体の成績は振るっていない。

この組からは8頭が好走しているが、その内6頭は前走で1人気の支持を受けていた。前走1人気の馬は【3-0-3-20】(同23.1%)と通用しており、対照的に前走2人気以下だった馬は【1-0-1-91】(同2.2%)と低調だ。1頭がデータを覆して勝利しているが、これは前述のデアリングタクトである。

このデータには新たに5頭が該当するが、三冠を意識できるような傑出度を感じる馬はいない。こちらも多くの馬が沈んでいるデータだけに、5頭とも軽視して問題ないだろう。

【今年の該当馬】
・イフェイオン
・エトヴプレ
・シカゴスティング*
・セシリエプラージュ
・マスクオールウィン
・(キャットファイト)
・(テウメッサ)

『前走3角10番手以下』×『前走上がり2位以下』 ★4.8%★

前走3角10番手以下だった馬は、【2-3-1-41】(複勝率12.8%)と成績が落ち込んでいる。この中でも、前走上がり2位以下だった馬は【0-1-0-20】(同4.8%)とほとんど好走できていなかった。

直線が長い舞台ではあるが、基本的にフルゲートで行われるレースだけに、後方から一気に差し脚を伸ばすことは簡単ではない。突出した末脚を前走で示していない限り、好走は難しいだろう。

このデータにはショウナンマヌエラ、ハワイアンティアレの2頭が該当。共に目立った戦績もないことから消去リスト行きとする。

【今年の該当馬】
・ショウナンマヌエラ*
・ハワイアンティアレ

『前走馬体重460kg以下』×『関東馬』 ★5.6%★

成長途上の世代限定戦だけに、成長度を示す馬体重にも注目したい。前走馬体重460kg以下の馬は【0-5-5-93】(複勝率9.7%)となっており、勝ち馬は1頭も出ていない。

この中でも関東馬は特に成績が落ち込んでおり【0-0-2-34】(同5.6%)と連対すらない。15年にこのデータに該当したルージュバック(1人気9着)、ココロノアイ(2人気10着)の上位人気2頭が揃って凡走した。

このデータには新たに2頭が該当し、阪神JFで3着に好走したコラソンビートも含まれる。440kg前後と小柄な当馬はデータ通り軽視する。

【今年の該当候補馬】
・コラソンビート
・ボンドガール*
・(キャットファイト)

『父・ノーザンダンサー系』×『阪神JF勝ち馬以外』 ★0.0%★

血統面に着目すると、父・ノーザンダンサー系の馬は【1-0-1-20】(複勝率9.1%)と苦戦している。この組からはソダシ(21年1着)、ソウルスターリング(17年3着)が好走しているが、2頭共に阪神JFを制した実績があった。

この実績を持たない馬に限ると、【0-0-0-20】(同0.0%)と1頭も好走馬が出ていない。22年にはこのデータに該当したナミュールが1人気ながら10着に凡走した。

ここまでに7頭が消去条件を免れているが、最後のデータにはセキトバイースト、チェルヴィニアが該当。重賞好走歴のある2頭だが、データを覆す程の実績はないと判断して消去する。

【今年の該当馬】
・セキトバイースト
・チェルヴィニア
・(キャットファイト)
・(シカゴスティング*)
・(セシリエプラージュ)
・(テウメッサ)
・(マスクオールウィン)

全ての条件を終えて不安データに該当しない馬は、アスコリピチェーノ、クイーンズウォーク、スウィープフィート、ステレンボッシュ、ワイドラトゥールの5頭となった。今回は中でもステレンボッシュを推奨する。

阪神JFは直線半ばでは勝ち馬に進路を塞がれる形になったが、内に進路を変えてから鋭く末脚を伸ばして猛追。中2週と分が悪いローテーションだった点を踏まえれば、クビ差の2着に詰め寄った走りは十分に評価できる。

血統面では、父エピファネイア×母父キングマンボ系という組み合わせはデアリングタクトと共通している。母系を見ると近親にはディープインパクトがおり、クラシック戦線への期待が膨らむ血筋だ。

また世界的名手のモレイラ騎手が騎乗予定なのも間違いなく好材料。あと一歩に迫った女王の座を今度こそ掴み取るだろう。

最後になりますが、今回が私にとって最後の「ハイブリッド式消去法」の執筆となりました。次回からライターが変わりますが、これからも「ハイブリッド式消去法」をよろしくお願いします。

《ライタープロフィール》
藤川祐輔
98年生まれ、新進気鋭の若手ライター。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。以前は別媒体での執筆を行っていたが、よりデータを活かした記事を書きたいと考えSPAIA競馬への寄稿をスタート。いつの日か馬を買うのが夢。



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