【ソフトバンク】「王イズム継承」極秘案件が判明 ドジャースなどを参考に進む〝構想〟

ソフトバンク「常勝」の象徴なる王貞治球団会長

ソフトバンクは2日のロッテとの本拠地開幕戦(ペイペイ)に2―0の零封勝ち。王者オリックスとの開幕カードに続き、投手陣がこの日も盤石だった。

開幕4試合すべて2失点以内を継続。重量打線がクローズアップされる中で常勝の礎である「投手中心の守り勝つ野球」で、春の躍進を予感させる戦いぶりが際立っている。多忙の中で観戦した孫正義オーナーは「(本拠地でも)いいスタートですね。ぜひ、このままの勢いで頑張ってほしい」と、安定感ある小久保野球に期待感をにじませた。

強さと自信と誇りを取り戻すための序章となるシーズン。帰路に就く首脳陣や選手、スタッフの足どりはいずれも軽かった。現場とフロントが一体となって取り組むプロジェクトは、ひとまず幸先のいいスタートを切った。

その根幹にあるものは「王イズムの継承」だ。現場は一軍に小久保新監督を迎え、フロントと現場をつなぐ重要なポストには城島健司球団会長付特別アドバイザー兼シニアコーディネーターが就任した。いずれも王貞治球団会長の秘蔵っ子。この動きからも、王イズム継承への並々ならぬ思いが伝わってくる。

大きな転換点を迎えている2024年。球団内で進む極秘案件も判明した。本拠地内には球団の普遍的なコンセプトや王イズムの象徴的なシーンをグラフィックで表現した壁画を製作する構想だ。NPBでは巨人やオリックス、MLBではヤンキースやドジャースといった歴史と伝統ある名門球団で、選手が行き来する通路などに往年のスター選手の写真や名場面や名言などをデザインした壁画がある。常勝の歴史をくむ球団の施設などを参考に、制作に向けた動きを本格化させている。

ホークスの場合は王会長が福岡の地に降り立った1995年以降のストーリーをメインに制作する構想。小久保、松中、城島、井口といったレジェンドらの印象的なシーンなどが描かれることも想定される。あくまで選手に向けたもので、ペイペイドーム内の選手が利用する駐車場からロッカールームにかけた通路などが候補に挙がっている。選手自身がホークスでプレーする意義を感じ、勝ち続ける理由を日々再確認するスポットとなることは間違いない。

かつて弱小ホークスに、勝利への強烈な執念を植えつけた王会長。その意図や信念を理解して紡いできた歴史をグラウンド内外で未来永劫つないでいく。

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