福井県にある鯖江市西山動物園で、繁殖期を迎えたインドクジャクの雄が、目玉模様が華やかな「飾り羽」を広げる求愛行動を見せている。長年連れ添った雌は約2週間前に死んでしまったが、“亡き妻”に向けて今も変わらない愛を伝えている。
インドクジャクのペアはともに2005年に生まれ、10年に静岡市の動物園から鯖江市にやってきた。互いの羽をついばんだり、並んで眠ったりと仲むつまじい様子を見せてきた。園によると、3月22日に雌が死亡し、雄は数日間、亡き相手の姿を探して鳴き続けていたという。
1羽になった雄は2日、体を振るわせながら、左右で長さ約3メートルの美しい飾り羽を扇状にゆっくりと広げるなど、来園者を魅了した。飼育員は「今もまださみしい気持ちが伝わってくるが、これからは来園者に愛を込めて飾り羽を見せてほしい」と話していた。
インドクジャクは春先から初夏にかけてが繁殖期。求愛行動は晴れた日の午前中に見られる確率が高い。飾り羽は繁殖期が終わるころに抜け、12月ごろに生え替わる。
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