飼育員も同情…「妻」を亡くして2週間、今も求愛行動続けるクジャク 福井県の西山動物園

目玉模様の羽を大きく広げて求愛行動を見せるインドクジャクの雄=4月2日、福井県の鯖江市西山動物園

 福井県にある鯖江市西山動物園で、繁殖期を迎えたインドクジャクの雄が、目玉模様が華やかな「飾り羽」を広げる求愛行動を見せている。長年連れ添った雌は約2週間前に死んでしまったが、“亡き妻”に向けて今も変わらない愛を伝えている。

 インドクジャクのペアはともに2005年に生まれ、10年に静岡市の動物園から鯖江市にやってきた。互いの羽をついばんだり、並んで眠ったりと仲むつまじい様子を見せてきた。園によると、3月22日に雌が死亡し、雄は数日間、亡き相手の姿を探して鳴き続けていたという。

 1羽になった雄は2日、体を振るわせながら、左右で長さ約3メートルの美しい飾り羽を扇状にゆっくりと広げるなど、来園者を魅了した。飼育員は「今もまださみしい気持ちが伝わってくるが、これからは来園者に愛を込めて飾り羽を見せてほしい」と話していた。

 インドクジャクは春先から初夏にかけてが繁殖期。求愛行動は晴れた日の午前中に見られる確率が高い。飾り羽は繁殖期が終わるころに抜け、12月ごろに生え替わる。

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