センバツでスカウトの評価を上げた U18代表合宿参加勢「投打4人」の名前

腕の振りの速さで前田健太を彷彿させる今朝丸裕喜投手(C)日刊ゲンダイ

健大高崎(群馬)が優勝した今年のセンバツ。4日からのU18高校日本代表合宿に参加する34人のメンバーも発表された。この春、プロのスカウトの評価を上げた選手は誰か。

投手は、決勝で8回3失点の完投負けで涙をのんだ報徳学園・今朝丸裕喜(3年)を高く評価するスカウトが多かった。今大会は4試合に登板(3先発)し、強豪の大阪桐蔭相手に1失点完投勝利を挙げた。4試合(1先発)で2勝した昨春の最速(141キロ)から、8キロ増の149キロをマークするなど成長を見せた。

日本ハムの山田正雄スカウト顧問はこう言う。

「今大会は今朝丸が一番の評価です。制球はまとまっていて、変化球のキレもいい。上背(187センチ)もあるので、伸びしろが大いに見込めます。何より、腕の振りが速い。これは天性の才能で、なかなか身につくものではない。変化球も腕が緩まない。腕の振りの速さで言うと、前田健太(タイガース)を彷彿とさせます」

さるパ球団のスカウトも言う。

「線が細いですが、あの腕の振りの速さがあれば、打者の体感速度はスピードガン表示よりも5キロは速く感じるのではないか。2巡目までに消える可能性もあるし、夏までの成長次第では1位の評価も見えてくるでしょう」

健大高崎・箱山遥人とは強肩でリストが強い

野手は、健大高崎の初優勝に貢献した正捕手の箱山遥人(3年)の評価が高い。DeNAの稲嶺スカウトが言う。

「今大会の捕手の筆頭です。肩が強いのはもちろん、打撃に関してもリストが強く、速い球にも振り負けない。広角にも打てます。身体能力も高いので、バント処理ひとつとっても、フットワーク、身のこなしがいい。ヤクルトの中村悠平タイプで、将来的にはチームの正捕手を担える素材とみています」

セ球団のスカウトも「打撃はタイミングの取り方など、技術面はまだまだ物足りないが、肩の強さは、プロでも十分に通用する」と、評価する。

この2人以外では、八戸学院光星の左腕・洗平比呂(3年、代表未選出)、神村学園の正林輝大外野手(3年)の名前も聞かれた。

「洗平は今大会の最速が140キロ台前半程度と物足りなかったが、体ができてくれば球速や球威のアップが見込めます。故障しにくい奇麗なフォームで、カーブも魅力です。現時点でも3、4位候補でしょう」(セ球団スカウト)

「正林は走攻守の三拍子が揃った好選手。1回戦の作新学院戦で本塁打を放ったパワーに加え、足もそこそこ速い。一番の魅力は肩です。プロでも強肩の部類に入るでしょう」(パ球団スカウト)

センバツの熱戦は終わったが、U18合宿でのドラフト候補の動きに注目だ。

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今大会はガラガラのスタンドが目立っていた。

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