堀田茜、ラブコメ初挑戦で監督から「それ顔芸じゃん」バラエティで培った自然体な自分で新境地を開く

堀田茜 撮影/冨田望

「第12回全日本国民的美少女コンテスト」での本選出場をきっかけに芸能界で仕事を始めるようになった堀田茜。それ以降、モデルの仕事を中心にCM、俳優としてドラマや映画、さらには番組『世界の果てまでイッテQ!』での体当たりレポートといったバラエティまで、マルチに活躍する彼女にとっての「THE CHANGE」とはーー。【第2回/全3回】

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新ドラマでは“ダメ男に沼る”主人公の郁子を演じる

ファッション誌でのモデル活動では、同性から支持され、バラエティ番組『世界の果てまでイッテQ』(日テレ系)では「出川ガールズ」のひとりとして、勇猛果敢に挑み続けている堀田さん。

そんな堀田さんの最新主演ドラマ『好きなオトコと別れたい』(テレ東系)は、ジャンルでいうと葛藤系ラブコメ。ひとりのアラサー会社員が、定職に就かずに居候しているダメ男と“別れたくても別れられない”恋愛を繰り広げながら、自分にとって何が”幸せ“なのかを考える、大人のラブストーリーだ。堀田さんが扮(ふん)するのは主人公・白石郁子である。

「私が演じる郁子は29歳で、30歳を目前にして結婚や恋愛に関して焦っているんです。私も29歳のときは、独特な焦りがありました。年齢はただの数字にしか過ぎないと、頭では分かっているんですけどね……。なので、付き合っている人が将来を考えられるような人じゃないと、恋愛にあくせくしてしまう気持ちや焦りもすごく分かるなって。
“別れなくては”って思っているけど、そういう人ほど愛くるしい面をもっていたり、情ともまた違う人間らしさがすごくあったりして、離れられない気持ちもすごく理解できるんです。浩次(ひろじ)がすごく魅力的な人物像でもあるので、惹(ひ)かれちゃう気持ちがすごく分かるな~って思いました」

胸に刺さるセリフがいくつもあった

堀田さんが本格的にラブコメに出演するのは、本作が初めてだった。

「実際に演じてみて、すごく難しい役だなって思いましたね。郁子の感情の機微が大事ですし、感情に波がなくてはお話として成立しないと思うなかで、それを一日で全部撮ることもあるんです。だから、面白い感じで演じていても、その後は乙女心を感じなければならないとか、感情の起伏も激しかったですし、その温度差に自分を適応させていくのは難しかったですね」

実際の撮影では、演り過ぎて「それ、顔芸じゃん」と監督から言われたそうだが、それが一番嬉しかったそうだ。

「このドラマで主役を演じるとなったとき、みんなを引っ張っていかなきゃいけないというなかで、自分には何が出来るか考えました。それは、バラエティで培った自然体な部分なのかなと。私はお笑いがすごく好きですし、やっぱりバラエティに出ている私を知ってくださっている方も多いと思うんです。
コミカルなお芝居をやりたいとずっと思っていましたし、監督から“やり過ぎ”って言われるくらいがちょうど良いものになるんだろうなと思ったので、常に大げさになるくらいをイメージしながら演じるようにしていました」

今回のドラマでは、堀田さんの胸に刺さる言葉(セリフ)がいくつもあったそうだ。

「郁子の後輩・ナナの“ヒモっていうのは女なんかに養われている男って意味ですよ”というセリフがあるのですが、いまの時代を汲(く)んで“女性はもっと進出しなきゃいけない”という熱いメッセージが込められています。私自身もハッとさせられ、一番心に刺さりましたね」

ダメ男・浩次を演じるのは毎熊克哉さん。毎熊さんはこれまでにも、近年注目を集めたラブコメ・ドラマに出演しており、ラブコメ初挑戦に近い堀田さんにとっては先輩的な存在であった。

「コミカルな演技もそうですが、物理的に距離間を寄せてきてくれる感じがすごくしました。結構ふたりで密着するシーンが多かったのですが、毎熊さんとは初共演だったこともあり“はじめまして”から、すぐに仲良くしているシーンを撮るとなると、やっぱり“心の距離間”が出てしまう。
いくら寄せても、どうしてもその距離が(画面に)映ってしまうと思うのですが、それを一瞬で埋めてくれるような安心感がありました。また、グッとつなぎ止めてくれる感じがあったので、こちらも遠慮せずにできてありがたかったですし、すごく頼りにさせていただきました」

堀田さんにとって、俳優としての新境地が開けたようだ。

堀田茜(ほった・あかね)
1992年10月26日生まれ、東京都出身。'09年、「第12回全日本国民的美少女コンテスト」の本選出場をきっかけに芸能界に入り、'12年から本格的に芸能活動を開始。女性ファッション誌の専属モデルも務め、’15年からはバラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』(日テレ系)に出演するようになる。さらには女優としてCM、ドラマ、映画でも活躍し、4年目に突入したJ-WAVEで毎週土曜に放送中の『ENEOS FOR OUR EARTH~ONE BY ONE~』ではラジオパーソナリティも務めている。

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