ラインはしっかり読んだのに……構えたら「なんか違う」と感じるのはなぜ?

しっかりラインを読んで『ちょいスライス』だと思ったのに、いざ構えてみたら『左に切れそう』と感じる。これは『ラインが歪んで見える構え』をしているからだった。

惜しいパットが決まらずに、前半のスコアは50。このままでは100切りすら危ういかも……。そんな状況を、昼休憩の限られた時間で打開する方法があると教えてくれたのが、宮里藍の父でありコーチの優氏。かつて精度の高いパッティングを武器に世界一にも輝いた宮里藍は、常にアドレスの再現度が高く、安定したストロークを披露していた。パターのカップイン率を高めるには、そのアドレスを見直すことが効果的だという。

「スイングはラウンド中に飛躍的に良くなることはありませんが、パッティングは別です。動きが単純なだけに、きっかけをつかめば入りだします。そして、限られた時間でも即効性があるのがアドレスの修正。例えば、しっかりラインを読んで『ちょいスライス』だと思ったのに、いざ構えてみたら『左に切れそう』と感じたことはありませんか? これは『ラインが歪んで見える構え』をしているから。つまり、『目の真下にボールがきていない構え』になっているのです」

目の真下にボールがあれば、飛球線上に目があるため、ラインが正しく見える。しかし、位置がズレていて飛球線上に目がないと、実際と実感に誤差が生まれてしまい、ラインが歪んで見えてしまうというわけだ。

「ショットでは目の真下に球を置くことはありません。そのため、パットでも球から離れて立ってしまう人が多い。球から離れれば、それだけパターヘッドの軌道は弧を描くインサイド・インになり、球をスクエアにヒットする確率が下がります。目の真下に球が位置する目安としては、ツマ先との距離がパターヘッド1.5個から2個分くらいと覚えてください」

アドレスを整えたあとは、ストロークにも気を付けて欲しいポイントがあるという。

「ストロークは振り子をイメージして、テンポを揃えましょう。行きと帰り、つまりテークバックとダウンの速度を同じにすることで、見違えるほどストロークがスムーズになります。無理やり自分でパターヘッドを動かそうとするのではなく、錘となるヘッドが動きたがるテンポでストロークすると、理想のパッティングスピードが手に入ります」

前半は惜しいパットが多かった、構えたもののなんか気持ち悪い、と感じたときは、目の真下にボールがあるかチェックしよう。そして、振り子のようなテンポを意識することで、ストロークも安定して『入るイメージ』を得やすくなるだろう。

◾️宮里 優
29歳でゴルフをはじめ、独学でゴルフ理論を構築。36歳の時に男子プロトーナメントの大京オープンにアマチュアとして出場。その後、ティーチングプロの道を歩む。子供たちと一緒に楽しみたいとやらせたゴルフだが、結果的に聖志・優作・藍の3人共プロゴルファーの道を選んだ。

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