松山の小劇場「シアターねこ」閉館へ 8月末めど 苦渋の判断

シアターねこで練習する「シアターねこカンパニー」=2023年3月、松山市緑町1丁目

 愛媛県内でも希少な地域の舞台芸術拠点として重要な役割を担ってきた松山市の小劇場「シアターねこ」(緑町1丁目)が2日、8月末をめどに閉館することを決めた。同シアターでは新型コロナウイルス禍以降、利用が低迷。4月の公演は2件のみで、3月以前もシアター主催のワークショップでの使用が大半だった。鈴木美恵子代表(76)は「建物の賃貸契約更新などのハードルが高く、苦渋の判断をした」と説明している。

 鈴木代表は、シアター内の就労継続支援B型事業所「風のねこ」と文化芸術支援拠点機能については市内での移転を模索中。閉館について「運営に携わる人たちの人件費捻出ができないままだった。発足時に活動していた演劇人が引退し始めても、なかなか新しい劇団ができず、世代交代が進まないのも残念。力が及ばなかった」と話している。

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