ペナルティが物議を醸したことを受けて、元ハースF1代表はディフェンスのやり方に「より明確なガイドラインが必要」と主張

 ハースF1の元チーム代表であるギュンター・シュタイナーは、先週末のF1第3戦オーストラリアGPでフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)がスチュワードから物議を醸す制裁を科されたことを受け、F1には許容されるディフェンス策について明確なガイドラインが必要だと考えている。

 アルバートパークでのレース終盤に、アロンソとジョージ・ラッセル(メルセデス)が6番手を争っていた際、アロンソはターン6に近づくときに通常よりも早くブレーキをかけた。その後、アロンソは再加速した後にふたたびブレーキングを行い、コーナーを曲がった。この予想外の動きはラッセルのマシンからダウンフォースを部分的に奪ったため、ラッセルがワイドになりコントロールを失ってウォールに衝突する原因となった。

 アロンソは6位でレースを終えたものの、スチュワードは彼の行動を「潜在的に危険なドライビング」とみなし、レース後に20秒のペナルティを科したため、彼は8位に順位を落とした。

 このペナルティは物議を醸した。アロンソの動きは単に巧妙な防御戦術だったのか、それとも彼は危険な領域への一線を越えてしまったのか? シュタイナーは、許容されるディフェンス策に関する明確なガイドラインの欠如が、ドライバーとスチュワードの双方に混乱を招いていると主張している。

「私はデータを見ておらず、みなさんが読んだものを読んだだけだが、彼はブレーキを踏み、ブレーキングで勝負してこのようになった」と、マイアミGPのアンバサダーに指名されたばかりのシュタイナーが語ったと『RACER』は報じた。

「サウジアラビアではケビン(・マグヌッセン/ハース)が防御し、今はフェルナンドがポジションを防御したというところだと思う」

「実はメルボルンからの帰りの飛行機でチェコ(セルジオ・ペレスの愛称)と一緒だったのだが、そのことについて少し話をした。我々は、これほど激しく6位争いをするのは少々やり過ぎだという結論に至った。つまり、誰もがポイントを必要としていることはわかっているが、『ワオ』という感じなのだ。もう限界だと私は思う」

「しかし、『あなたは間違っているが、あなたは正しい』というスチュワードの評決は、私にとってあまり明確ではなかった。『ペナルティは科すが、悪いことをしたかどうかは分からない』という感じだ。だから、もっと明確なスタンスが必要だと思うし、それは誰にとっても同じであるべきだ」

「限界を超えてはいないにしても、限界に達したと考えている」

2024年F1第3戦オーストラリアGP フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)とジョージ・ラッセル(メルセデス)

 この件に関して元F1チームオーナーのエディ・ジョーダンは、レースの順位を変えてしまうレース後のペナルティに異議を唱え、レースファンを混乱させないために、制裁は先送りにして次のレースで適用すべきだと提案した。

「レースを見ていると、本当に腹が立つ。アロンソは5位あたりでフィニッシュしたと思うが(編注:アロンソは6位でフィニッシュ)、その後彼は3つ順位を下げた」とジョーダンは、共同ホストのデイビッド・クルサードと出演しているポッドキャスト『Formula for Success』で語った。

「バーニー(・エクレストン/元F1最高権威者)のことを覚えている。あれは彼の大嫌いなことのひとつだ。彼はタイムキーパーやスチュワードに『レースの30分後や1時間後に、違う順位の結果を出すな。テレビでは不公平だし、誰に対しても不公平だ。これはみんなを混乱させる』と言っていた」

「私の意見では、もし彼らが何かがおかしいと感じたら、『次のレースで2グリッド降格ペナルティを科す』と言うべきだった。だが彼からレース順位を奪ってはいけない。一体なぜそんなことをしなければならないのだろう? それは無意味なことだ」

「頼むからF1はしっかりしてくれ! レース結果はレース結果だ。そしてペナルティがあるのなら、後々のレースで科すのだ」

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