2軍でタイトルも戦力外「僕の実力不足」 元阪神右腕が新潟から目指す“復活”

阪神在籍時の小林慶祐【写真:荒川祐史】

阪神を戦力外になった小林「1軍で投げられなかった僕の実力不足」

2軍のタイトルは“実績”ではない。小林慶祐は昨オフに阪神から戦力外通告を受け、オイシックス新潟アルビレックスBCに移籍した。新天地は「若い選手が多いので、元気のあるチームだなっていう感じはありますね。僕が元支配下選手だからとか、そうじゃないからとか、そういう壁は全くないと思います」と良い雰囲気でプレーができている。

昨季は2軍で39試合に登板して1勝4敗16セーブ、防御率3.20でウエスタン・リーグの最多セーブ投手に輝いた。“タイトル”を獲得したにもかかわらず告げられた「戦力外」。31歳の小林は「もちろん、まだやれるって気持ちはあったので、このチーム(新潟)を選ばせてもらいました」と深く頷く。

「戦力外になった部分については……。結局、プロの世界では1軍で投げないと何もないので。1軍で投げられなかった僕の実力不足。それに関してはしょうがないと思っていました。だから、ファームでタイトルを獲ったからとか、そういう気持ちは全くないですね。競争に勝てなかっただけなので」

小林は2016年ドラフト5位でオリックスに入団。2020年途中にトレードで阪神に移籍した。「僕はオリックスと阪神でずっとウエスタンだったので。(新潟は)イースタンに新規加入ってことで、そちらでもアピールできたらなっていう思いもありました」。グッと目線を上げた。

今回、プロ入り前から過ごした大阪を離れた。「僕はトレードの時も引っ越していないです。今回が初めて。大阪には社会人(日本生命)を含めて9年住んでいたんで。若干寂しい気持ちはありますけど、マイナスな感じは何もないですね」。新生活も心から楽しむ。

今季の目標は「NPB復帰はもちろんそうなんですけど、あんまり、全面的にはそういうのを言いたくない。新規参入なので、新潟を盛り上げていけたらいいなと思っています。NPB復帰を目指して、プラス新潟を盛り上げられたら1番ベストなのかなとは思います」と冷静に話す。プレーする環境を整えてくれた新しい職場に、恩返しをしてみせる。(真柴健 / Ken Mashiba)

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