JDRC、「事故自動通報用通信型ドライブレコーダーのガイドライン」の制定

ドライブレコーダーの普及、発展、映像を活用した事故分析などを行う一般社団法人ドライブレコーダー協議会(以下、JDRC)は3月29日、「事故自動通報用通信型ドライブレコーダーのガイドライン」を制定し、公開した。

このガイドラインに沿って制作したドライブレコーダー(以下、ドラレコ)が車両に搭載されることで、交通事故の発生時、ドラレコを通じて消防機関に適切な通報や病院への情報連携が可能だ。それにより、ドクターヘリ、ドクターカーの迅速な出動に貢献できる。

近年、先進事故自動通報装置(AACN)を用いたD-Call Net

の搭載が始まってきた。事故自動通報データを病院に連携することで、ドクターヘリ、ドクターカー等の迅速な出動など、より高度な救急医療の実現が期待されている。

※D-Call Netは、消防機関やドクターヘリ、ドクターカー基地病院への適正な通報を行うことが目的だ。認定NPO法人救急ヘリ病院ネットワーク(以下、HEM-Net)が使途を限定するため登録した商標。

しかし、D-Call Netが搭載されている車両は約600万台と推測され(2023年末現在、認定NPO法人救急ヘリ病院ネットワーク調べ)、これは国内の乗用車6232万台(2023年末現在、一般財団法人自動車検査登録情報協会調べ)の約1割しかない。

JDRCはD-Call Netを普及させるため、使用過程車や乗用車以外の車両にも導入可能なドラレコに、「後付け」D-Call Netの検討に協力してきた。今回のガイドラインはその成果の一つで、「後付け」でのD-Call Net実現に必要なドライブレコーダーの技術仕様をまとめた。このガイドラインに沿った仕様にすれば、ドラレコ活用領域の大幅な拡大、特に命に関わる交通事故時の救命においての効果が期待される。

なお、このガイドラインは、「車載器型」事故自動通報装置における緊急通報の在り方を定めた「三省庁ガイドライン」

の要件をできる限り満たすように作成したという。

※三省庁ガイドライン:

https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/chiikika/20180511_car110guideline.pdf

「事故自動通報用通信型ドライブレコーダーのガイドライン」の詳細は、以下で確認できる。

https://www.jdrc.or.jp/guidelines/recommendation/

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