新社会人がっかり 東北新幹線運転見合わせ、4万3500人に影響

東北新幹線の運転見合わせを受け、切符の払い戻しなどで並ぶ利用客=2日午前9時20分ごろ、福島市・JR福島駅

 東北地方と首都圏を結ぶ高速交通網の一角、東北新幹線がまたも長時間運転を見合わせた。近くでトラブルが発生した福島市のJR福島駅では2日朝から多くの利用客が足止めとなり、切符売り場には長蛇の列ができた。年度初めの運転見合わせは約4万3500人の利用客の新生活にも影響を与えた。度重なるトラブルに利用客からは、運行するJR東日本への厳しい声も聞かれた。

 3月に起きた郡山駅でのオーバーランや大宮―小山間の停電に続き、今回は福島―白石蔵王間で夜間工事の車両から油漏れがあった。

 「どうして今日なのか」。この春入社し、初めての研修のため福島駅から仙台に行く予定だった福島市の会社員菊田日奈子さん(20)は肩を落とした。「社会人の洗礼を浴びた気分」と気持ちを切り替えつつ、在来線で仙台へ向かうという。

 福島駅の改札周辺はスーツケースなどを持った人らが戸惑った様子を見せた。相次ぐトラブルを受け、福島市の管野正夫さん(77)は「細心の注意を払い、安全運転を心がけてほしい」と訴えた。横浜へライブを見に行くという福島市の会社員女性(59)は3月のオーバーランなどに触れ「みんな大事な予定があって新幹線を利用している。もう少し安全意識を持って運行してほしい」と求めた。

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