テクニカルセンター下山公開 トヨタ、全面運用開始

全面運用を開始した、トヨタテクニカルセンター下山

 トヨタ自動車は2日、豊田市と岡崎市にまたがり、広大なテストコースを持つ車両開発拠点「トヨタテクニカルセンター下山」を報道陣に公開した。650万平方メートルの敷地内に12種類のテストコースを備えており、車両開発の競争力を高める。

 同拠点は2019年から順次運用を開始。開発部門が入る車両開発棟などの西エリアを3月末に開設し、全面運用となった。

 投資額は約3千億円で3千人の従業員が勤務する。東海環状自動車道の豊田松平インターチェンジから車で約30分、トヨタ自動車本社からも車で約30分の場所に位置する。

 今回開設した西エリアには、車両開発棟や来客棟が設けられた。車両開発棟には、高級車ブランド「レクサス」と、スポーツ車ブランド「GR」の開発機能などが入居。約2千人が勤務する。来客棟は他社との連携、協業に向けたオープンスペースとして活用する。

 テストコースは、世界各地の過酷な環境を再現。19年にオープンした中央エリアには、欧州の山岳路を模した全長約5キロメートルの「カントリー路」を設けている。約75メートルの高低差の中に多くのカーブがあり、曲がる、止まるといった車両性能を鍛えられる。21年にオープンした東エリアには、高速評価路や、世界各地の特殊な路面を再現した特性路などを設けている。

 同日のお披露目式に出席した豊田章男会長は「『下山産』のクルマが世界のあらゆる道を走り、たくさんの人を笑顔にする」と力を込めた。

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