もみ種まいて耕作無事願う 伊勢神宮神職ら「神田下種祭」 三重

【もみ種をまく白装束の作丁ら=伊勢市楠部町の神宮神田で】

 【伊勢】三重県伊勢市楠部町の神宮神田で2日、伊勢神宮の祭典に供える米のもみ種をまいて、耕作の無事を願う「神田下種祭(しんでんげしゅさい)」が営まれた。

 神宮の久邇朝尊(くにあさたか)大宮司をはじめ、神職や地元住民ら約80人が参列した。

 儀式に奉仕する「童男(どうなん)」に選ばれた三重中学1年の千秋季誠(すえなり)君(12)が、神職らとともに神田の奥にある山に入り、イチイガシの木を切って「忌鍬(ゆぐわ)」を作って、下山した。

 神田の祭場に移ると、耕作を管理する作長が、御田歌(みたうた)に合わせ、忌鍬を振り下ろして田を耕す所作をする「御田打(みたうち)」を行った。続いて、白い装束の作丁(さくてい)2人が神田に入り、もみ種をまいた。

 神田の作付け面積は約3ヘクタール。もみ種は苗に育て、5月の「神田御田植初(おたうえはじめ)」で田に植えられる。

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